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【61万PV感謝】大魔女ディケーの異世界百合な日々!~元アラサーの私が転生先で美女達からグイグイ迫られる件~  作者: 漁業フリーダム
第10部-1 勇者少女ステラ、魔女一家の一員に!?

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第547話 深淵戦争、女吸血鬼、そして勇者について

「ごめんねえ、ディケーお姉ちゃん♪

 悪気はなかったのぉ。

 爵位と領地をもらって、ディケーお姉ちゃんの身体がなまってないか、確かめたかったって言うかあ……ね?」




 ニコニコ笑顔で謝罪するシェリル。

 ……しかし、その顔からは反省の色は微塵も感じられない。ニマニマと口角を吊り上げながら笑う、大人を舐めた悪ガキ、そのものである!

 ……これには普段は菩薩のように温厚なディケーさんとて、頭にきますよ!!




「……私をよわよわだの、ザコザコだの言ってなかったしら?」

「気にしちゃダーメ♪

 この姿になるとねぇ、つい口が悪くなっちゃうだけなのぉ♪」

「……」




 ……それでも何とかメスガキ……もとい、幼女の姿になったシェリルの煽りに耐えた私は。

 玉座の間からシェリルの部屋まで、彼女の手をグイグイと引いて辿り着くや、ドカッとソファーに座ったのだった。

 その間も、




『あ〜ん♪

 お姉ちゃんの鬼畜ぅ♪

 シェリル、これから、わからせられちゃうんだぁ〜』




 とか、不穏なコトばかり言ってたのは、どの口なんですかねー!?

 なに、異世界でもメスガキとか流行ってるの? 私の世界の日本だけの流行りじゃなかった……ってコト!?

 メスガキは世界を超えるの!? 野球の大谷とかサッカーのメッシじゃあるまいし!

 疑問は尽きないけれど……閑話休題。




「すぐにお茶とお菓子を用意させるね〜。

 うふふ、冬以外にディケーお姉ちゃんが訪ねて来るなんて珍しいコトもあるんだあ……」




 ーーーちびシェリルはスカートから覗く白い生足をチラチラさせながら、私の隣にゆっくりと腰を下ろすと。




「で、何のお話だったかなあ?」

「……だから、さっきも言ったでしょ。

 深淵戦争の頃について、ちょっと聞きたいのよ」

「ふ〜ん? そうなんだぁ〜♪」




 ……ちょうど目線が私の胸元に当たるくらいの角度で、私の顔を見上げて来るのだった。

 くっ、口調は何かムカつくけど、顔が可愛いから怒るに怒れないッ……!

 中身はメチャクチャ長生きしてる吸血鬼ヴァンパイアだって分かってるのにぃ……。




「(……あー、おちけつ!

 もとい、落ち着くのよ、私!

 見た目が可愛いからって、騙されちゃダメダメ!!)」




 シェリルのペースに巻き込まれちゃいけない、飽くまでも対等の立場を貫かなきゃ……平常心、平常心……。

 私ってば、こっちの世界でディケーに憑依転生しちゃってから……自分でも不思議なんだけど、どうにもソロアちゃんとかステラちゃんみたいな年下の子相手に、ときめいちゃうコトが多くなっちゃったみたいでえ……。




「(魔女は子供産まないから、本能的に年下の子を見ると、可愛がろうとしたりしちゃうのかも……)」




 魔女の先輩達もディケーには辛辣だけど、ライアとユティ、それにソロアちゃんとクロアちゃんには優しいもんね……。





****





「しばらくはディケーお姉ちゃんとお喋りしてるから、呼ぶまでは来なくていいからねぇ〜」

「かしこまりました、姫様」




 お茶とお茶菓子を持ってきた蛇女ラミアのメイドさんが、ちびシェリルと私にうやうやしくお辞儀をして、退室する。

 テーブルの上には、よく冷えたアイスティーと焼き立ての美味しそうなクッキーが並んでいた。




「深淵戦争の頃の話……ねえ。

 特に話すようなコトもなかったような気もするけどぉ……ディケーお姉ちゃんは、何を聞きたいのかなぁ?

 クスクス……」




 無邪気(いや邪気はだいぶ含まれてるでしょうけど)に笑い、クッキーを手にして頬張るシェリル。




『安物のキャンディーだ。

 コニャックによく合う』




 ーーーとでも言いたげに、ボリッ、メキッ、バリッ……と口内で小気味よい音を立ててクッキーを咀嚼そしゃくしながら、私を見上げて来る。

 くっ、食べてる仕草も小動物みたいで可愛い……話し方はかなり小憎たらしいけど……。





「ーーー勇者について聞きたいの」

「……勇者?」

「居たのよね? 深淵戦争の頃にも」





 それまで、ホストとしての余裕を崩すコトのなかったシェリルが。

 私が勇者の話を始めた途端ーーーピタリと、クッキーに伸ばす手を止めたのをーーー私は見逃さなかった。




「……そうね、勇者は居たよ?

 ……と〜っても、いけ好かない奴だったけど♪」




 それまでのニコニコ笑顔が嘘のように。

 口調は相変わらずふざけていたけれど、酷く真面目な声色でーーーそう、ちびシェリルは答えたのだった。

 ……あ、これ、もしかして……シェリルにとっては地雷な話だったり、する?

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