第545話 死妖姫の夏バテ防止策!? ロリ吸血鬼少女あらわる、あらわる!!
「いやあ、スターレイム卿がうらやましいですなあ。
ベルさんのような有能な秘書がいらして……さすが冒険者ギルドで長年受付嬢をされていただけあって、テキパキとしていると言うか……」
「あはは……。
こ、今後とも、うちのベルをよろしくお願いいたします……」
ーーーベルちゃんとの青空の下での腋撮影会を終えて。
ハルバード公爵家お抱えの魔術師団が駐屯しているお屋敷に戻った私は、ベルちゃんが一室を借りてお世話になっている御礼も込みで、いつもの駐在さんに挨拶をしていた。
……よもや、ついさっきまで私達が腋の撮影会をパシャパシャやってたなんて、夢にも思わないでしょうねえ……。
「近隣の市町村の民からの評判も上々ですし、スターレイム卿の領地は今後も発展されるコトでしょう!」
「そ、そうなればよいのですが……」
やばい……私がこの人達の上官のマリー様と親しいのが知れ渡っちゃてるせいで、期待度マシマシって感じ!
……実際、たまにマリー様もここに領地視察に来るのだけれど、その度に私と腕組みしたり、おっぱい押し付けてくるものだから、
『奥様とスターレイム卿は本当に仲睦まじいですなあ』
って、みんなに見られちゃってるっていう……マリー様、旦那様も娘さんも居るのに「ママ友ならこれくらい当たり前ですわ♪」って、開き直って来るからねえ……や、お気持ちはすごく嬉しいんだけど……ね。
閑話休題。
「ディケーさん、では私はこれで」
「ええ。ありがと、ベルちゃん」
「(勇者の件、色々と調べておきます)」
「(お願いね)」
そう、心の中で念話で囁き合うと。
私の腋の写真を大量に撮り終え、内心嬉しそうなベルちゃんに別れを告げて、私は帰路に着いたのだった。
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「あらあら♪
嬉しいわあ、よもや冬季休暇以外でもディケーに会えるなんてねえ♪」
後日、私が居たのは。
温暖な南の地域からは真逆の、北の大地ーーー悠久の刻を生きる死妖姫、シェリルの支配する、ブランディル自治領だった。
玉座の間に通されると、いつものようにーーーこの一帯を支配するシェリルが、傾国の美貌で笑みを浮かべ、私を歓待してくれた。
「……そうね。
私も嬉しいわ、シェリル」
今日は、少しシェリルと話がしたくてブランディルまで足を伸ばした。
……私の知り合いで、深淵戦争の頃に生まれてて、勇者についても知ってそうなヒトは限られますからね……ここ最近はブランディルに顔見せもしてなかったし……。
なのでまあ、シェリルに血を吸われるのを覚悟の上で、こうして会いに来たのね。
「実は、ちょっと聞きたいコトがあって来たの。
ーーー深淵戦争の頃についてなんだけど」
「……ふぅん?
珍しい、ディケーがあの頃の話を聞きたがるなんてねえ」
「私は、その頃はまだ生まれてなかったから」
……ま、嘘は言ってないよね。
まだ私の師匠のテミスが大魔女になる前の話だし……ディケーは生まれてない……はず。
シェリルはその頃にはもうブランディルを支配していて、北の大森林に発生した異界のゲートをくぐって攻め込んできた異界の軍勢をブランディルに寄せ付けるコトなく追い払った……。
そんな逸話が残されてるくらいだし、もう深淵戦争の時には、みんなのお姫様だったのよね、シェリル。
「(ーーーって、あ、あれ?)」
あーもー、またシェリルに血を吸われちゃうのかあ、アレ毎回痛くて嫌なんだけどなあ……なんて思いながら玉座の間に通されたせいで、あまりシェリルの方をよく見てなかったんだけどお……。
「シェ、シェリル……?
な、何か、貴女……ち、縮んでない……?」
「ああ、これかしらあ?
うふふ♪ 私、夏は暑くて省エネモードに入るからあ、子供の姿で過ごすコトにしてるのよお♪
ディケーに見せるのは初めてだったかしらあ?」
玉座の間に佇むシェリルを、よーく見ると。
いつものバインバインな胸は小ぶりになって、背も縮んで、髪も少し短くなって……それこそ、私の娘のライアとユティとそう変わらない背格好になった可憐な銀色の髪の少女、言わば「ちびシェリル」がーーー頬杖を突きつつ、ニマニマしながら眼下に私を収めていた。
「(か、かっ、かっ、かわええーっ!!!)」
まさか、私がシェリルにときめくなんて……よもやよもやね!!




