第510話 さすが! 御領主様は強かった!
「さあ、今夜はカニパーティよ!
カニグラタン、カニクリームコロッケ、カニ玉、カニクリームパスタ、カニチャーハン、カニ味噌汁……どんどん食べて!」
「「「『 おおー!!!! 』」」」
ーーー何やかんやありましてえ。
ディケーさん、見事に皇帝潮招を打ち取ったりぃ!
いやあ、ものすごい死闘だったわあ……久々に魔導書から悪魔(海洋生物には海洋生物をぶつけんだよ! というコトで、巨大なウミウシ型悪魔を喚んでみた)を召喚したり、さながら異世界の大怪獣バトルだったわね!!
「まあでも『ゴ◯ラー、超振動波だー!!!』みたいな感じで、白熱した戦いだったわあ……)」
漁村を守るためにも、何としても海岸で倒さなきゃと思いまして……かなり消耗したけど、でも勝てたからヨシッ!
村の人達からも
『領主様がカニの化け物を退治されたぞー!』
『ありがたや、ありがたや……』
『ばんにゃーい、ばんにゃーい!』
って、感謝されまくったしね……これで魚達も海に戻って来て、漁獲量も元に戻るでしょう……。
「ネリちゃんの避難誘導が的確だったおかげで、村の人達に一人も被害が出なかったの。
ネリちゃん、頑張ったわね。
今日の殊勲賞はネリちゃんよ、たくさん食べて」
「えへへ……どーもでーす♪」
『あ、だから今夜はネリが珍しく、うちに来てるんだね』
「ね、ネリさんとお食事を御一緒するの、久しぶりかもしれません……うひひ」
「お邪魔してまーす!
ディケーさんの従者や使い魔同士、たまにはこういうのもいいですねえ」
私達と一緒に食卓に着いたネリちゃんは、すぐにもスターレイム一家に溶け込んでしまっていた。
うんうん、仲良きコトは良いコトね。
今度、ベルちゃんやサラさんも呼んであげたいなあ……。
ーーーま、ともかくとして、
「(首尾よく魔物も倒せたし……大量のカニ肉も手に入ったし?)」
倒した皇帝潮招はハルバード家の魔術師団や漁村の人達の手を借りて海岸にてその場で解体、皆さんにもおすそ分けしておいた。
もちろん、事前に腸炎ビブリオの増殖で食中毒にならないよう、念入りに滅菌の術式(私としても実家が喫茶店のメンツにかけて、食中毒が出ないよう、呪いに近いものをかけておいた)を施しておいた……カニは当たると怖いからねえ……。
「キャルさんが『皇帝潮招は昔から帝国領では食用としてもポピュラーな存在です!』って言ってたから、張り切って料理しちゃったのよねー。
キャルさんの予想がズバリ的中だったわ、助かっちゃった」
「いえいえ!
ディケーさん達のお仕事のお役に立てたのでしたら、それに越したコトはありませんので」
うふふ。
でもキャルさん、心無しか嬉しそうね……でも、もう帝国との戦争が終結して二十年近くが経とうとしてるのに……野生化したからって、元々は食用としても用いられていたカニの魔物が、あそこまで巨大化するものなのかしら?
「(巨猿王みたいに、他の魔物を食べて巨大化した異常進化……突然変異種かも……)」
ーーーもしくは、また「世界の強制力」みたいな力が働いて、あんな魔物が生み出された可能性も……うーん、分からないわね……。
ま、それはさておき、
「せっかく倒して料理したんだし、みんなジャンジャン食べてね。
魔物とは言え、ひとつの命……美味しくいただいて、供養しましょ」
『おっ、そうだな。
どれどれ……ん、カニ玉ウマー!
いいね、身がホクホクしてるよー』
「カニグラタン、ホワイトソースの濃厚さにカニの旨味が負けていませんね!
多少は泥臭いのかな、と思っていましたが……そういうのは一切なく、プリッしています」
「か、カニクリームパスタも、いいですね……。
か、殻を砕いて、カニ味噌とブレンドしたクリームソースの甘みとほぐされた身、モチモチのパスタの食感があわさって……と、とても幸せな気持ちになります……うへへ」
「カニ味噌汁も、身体がとってもあったまりますねえ……いいなあ、キラリちゃんもキャルさんもソロアさんも、ディケーさんの手料理が毎日食べられて……」
みんな、異口同音に「美味しい、美味しい」と言いながら、カニ料理をお皿から取って食べてくれるものだから、見てるこっちも嬉しくなるわねえ……。
「領主生活、魔物は退治出来たし、領民の人達にも感謝されたし……まずまず順調ね!
スターレイム一家、ファイヤー!」
「「「『 ファイヤー!!!! 』」」」
この調子で、みんなに慕われる領主になってみせるわ!




