第504話 魔女ディケー、レジェグラの主人公に大接近!?
「そう、ライアとユティはお弁当を喜んでくれたのね、良かった」
「は、はい……とても。
マスターにも、会いたがっていました……」
「それは私もよ、ソロアちゃん。
あんまり母親らしいコト、してあげられなかったからなあ……。
すぐキンドラーに入学させて、家を離れての寮生活もさせちゃったし」
その晩のコト。
キンドラー魔術学校での勤務を終えたソロアちゃんが帰宅したタイミングで、ライアとユティがお弁当にどう反応したか聞いたトコロ。
二人とも、とても喜んでくれたようで、まずは何よりだった。
ソロアちゃんがキンドラー魔術学校で働いてくれてるからこそよねえ……。
「ディケーさんは良いお母さんですよ、自信を持ってください!」
「そ、そう?
キャルさんは、そう思ってくれる?」
私の横で晩御飯の準備を手伝ってくれていたエプロン姿のキャルさんが、私を励ますように力強く、そう言ってくれた。
「はい、それはもう!
……だって、ライアさんもユティさんも、あんなにディケーさんが大好きじゃないですか。
例え血が繋がってなくても、心が繋がっていれば家族でいられるというコトを、ディケーさんの御一家は体現されてますよ」
「おおぅ……」
そ、そう言ってもらえると、嬉しくなっちゃうなあ……。
「(二人を、そしてディケーを悪役にしないため……これまで頑張って来たけど……)」
ーーー見る人が見れば私達は、ちゃんと本当の家族に見えている。
それはとても嬉しいコトだった。
『もちろん私も家族だよ、ディケー!』
「わ、私もです、マスター……」
「私達も、もうとっくにスターレイム一家の一員ですから!」
「キラリちゃん、ソロアちゃん、キャルさん……」
私は晩御飯を作る手を止めて、みんなの顔をそれぞれ見つめた。
みんな、私のコトが好きだから、一緒に居てくれている人達……それはライアもユティも同じコトだと思いたい。
「……ありがとうね、みんな」
気づけば、私を元気づけてくれる言葉をかけてくれたみんなに、自然と御礼を言っていた。
晩御飯の準備の最中に何だか、sentimentalismな気分になっちゃった、ディケーさんなのでした……。
「(芥川龍之介の『羅生門』の下男みたいねえ……)」
……いえ、あっちはSentimentalismeだったかしら?
最後に現国の授業やったの、もう二十年以上前だから自信ないわあ……いやはや。
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「へえ、そんなに魔力の強い子が居るのね」
「は、はい……。
ライアさんは知らないみたいでしたが……ユティさんは御存知で、一目置いている感じでした……。
その子のクラスの授業を私も受け持ったコトがあるのですが……確かに、並々ならぬ才能の持ち主かと……」
「ソロアちゃんがそこまで言うなら、モノホンの才能の持ち主ねえ」
食後。
美味しく晩御飯をたいらげた私は、お茶を飲みながら、学校でのライアとユティの様子をソロアちゃんから聞いている真っ最中だった(キャルさんはキラリちゃんと一緒に入浴中)。
「(ふぅん……あのユティが一目置く程の実力者が、エリザお嬢様以外に居たのかあ……)」
元々、ライアもユティも同年代の子の標準から見ても、頭三つ四つは軽く超える魔力を備えてて、私……と言うか、ディケーもその才能に惚れ込んで、"魔女の塔"の教えに背いてまで、養子兼弟子にしたワケだしね……。
ハルバード家のエリザお嬢様みたいに特別な血統の生まれで、最初から高い魔力を持ってるような子も割と居るけど……なんて、ソロアちゃんの話を、お茶を飲みながら私が聞いていると。
「す、スターフォールさんは、なかなか才能があると思いますよ。
あの歳なら、魔術協会が幼い頃から目を付けていてもおかしくないはずなんですが……今にきっと、すごい魔術師になるかと……」
ーーー今、なんて?
「そ、ソロアちゃん?
ごめん、その子の名前、もう一回言ってもらえる?」
「え……。
す、ステラ・スターフォールさんです……。
ライアさん達と同じ14歳の、金色の髪の、可愛らしい子ですよ……そ、それが、どうかされたのですか、マスター……?」
「な、な、な……何ですってーーーーーー!?」(CV:近藤玲奈)
そ、そそっ、それっ……レジェグラの主人公のステラちゃんじゃないのっ!!!




