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【58万PV感謝】大魔女ディケーの異世界百合な日々!~元アラサーの私が転生先で美女達からグイグイ迫られる件~  作者: 漁業フリーダム
第1部-3 魔女に魅入られし女たち

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第34話 ちょっとしろくなってる!

「ふあぁ……おはよー」



 眠い右目を擦りながら、私はのそのそと朝のリビングに足を運んでいた。

 ここのところは怪我の回復に魔力をゴッソリ持って行かれているせいなのか、最近ちょっと朝の足取りが重い。

 不老不死の魔女のディケーの身体だから、年齢から来る腰痛とか関節痛の類いじゃないだけマシなんだけど……これはこれでクるわね……。



「(しかし昨日はベルちゃんから意味深な事を言われちゃった気がするけど……)」



 あれは一体何だったのかしら……。

 もしかしてだけど、思春期の女の子ならではの複雑な悩みがあるのかも……ただでさえレジェグラの世界はつい何年か前まで戦争やってた訳だし。私が力になってあげられたらいいんだけど……ん、それにしても。



「(左目が何かかゆい……)」



 まあともかく、巨猿王コングロードとの戦いで潰れた左目も治って来た感じあるし、ガーゼもそろそろ取っていい頃合いかもしれないわね。

 右腕の骨折はまだって感じだけど……。



「かーさま! おはよー!」

「グッモーニン、マム」



 早起きの娘達、ライアとユティの元気な声が聞こえる。

 キッチンとリビングをトコトコと往復する2人によってテーブルの上には食器やらが既に並べ始められていて、後は私が朝食を作るのを待つだけの状態だった。

 私が怪我をして以来、ライア達はこうして毎日早起きして朝食の準備を手伝ってくれているのよね。

 こんな良い子達を持って、母様は幸せ者ですよホント。



「おはよう、ライア、ユティ。

 今日もお手伝いありがとうね」



 と。

 私がいつものように2人にねぎらいの言葉を掛け、さあスープを温めたりベーコンや玉子でも焼きましょうかと、キッチンに入ろうとした時だった。



「……ん? どうしたの、2人とも」



 それまでテキパキと朝食の準備を進めていたライアとユティの手がピタリと止まって、私の方をジッと見ている事に気づいた。



「かーさま、それ……」

「マム……」

「えっ?」



 私の顔に何か付いてる、とか?




「かみ、ちょっとしろくなってる!」

「ホワイトカラー」

「えぇっ!?」




 やだ、もしかして白髪!?

 いやいやいや、魔女は歳取るの遅いんだから、昨日の今日でいきなり白髪生えたりするのかしら!?

 そう言えば今朝は起きた時、目を擦りながら部屋を出たから鏡を見てなくて、全然気づかなかった!




「かーさま! はい、かがみ!」

「ありがと……って、ホントに白くなってる!?」




 ライアから手渡された手鏡で確認すると、確かにメッシュを一部分入れたように、ディケーの黒髪が真ん中から右にかけて、少しだけど雪のように白い髪へと変質してしまっている!



「(これって……!?)」



 どゆこと!?

 染めた覚えなんてないし、そもそもディケーってレジェグラのゲーム終盤で主人公達と戦った時もずっと黒髪だったはずよね!? 魔女って生まれた時から髪の色は変わらないって話だし……。

 姉弟子のミア姉様も白い髪してるけど、あの人の場合はあれが地毛よね……えぇ~っ?

 


「うーん……。

 と、とりあえず、朝御飯を食べてから考えましょうか」

「「わーい!!」」



 ……考えても仕方ない。

 私もちょっとお腹減ってるんで、先に朝食を摂ってから考えよう。そうしよう。





****





「アンタ馬鹿なの?

 あの子達残して死ぬの?

 本気で馬鹿?」

「あいたっ」



 朝食の後。

 魔女の先輩の中で、この手の事に詳しそうな人をチョイスして、私の魔女ウイッチ刻印サインを空に飛ばして連絡してみた。




「私宛の魔女の刻印が見えたから、遥々(はるばる)こんな山奥まで来てみれば……ハーッ、何ソレ」




 ややあって、うちにやって来たのは魔女セレン。

 魔女ヴァルプルギスナハトの時、ライア達との別れ際に





『ディケーの鍛練が辛くなったら、いつでも私の所に来なさいな』





 って、言ってた人ね。

 生理学とか生物学に精通してる魔女だったはず。

 いやー、こんな形で再会するとは。

 てか、玄関開けて出迎えて早々に杖で頭叩かれるとは思ってませんやんか……。



スター観測者ゲイザーたる魔女が、スキマ時間に冒険者ねえ……。

 アンタ、ますます姉弟子のミアに似て来たわね」

「そ、そうですか?」

「何十年も魔女の夜に出席するのをサボってたかと思ったら、娘兼弟子を連れて久々に現れるわ、冒険者始めるわ、特A級の有害召喚獣相手に大立ち回りして大怪我するわ、ハーッ……人生楽しそうで何よりだわ」



 辛辣ぅ!

 美人だけどハッキリ物言っちゃう人ね……。

 何処の会社にも一人はいる、仕事は出来るけど、ちょっとキツい性格の先輩って感じ……。

 と、こんな風に私が玄関で、再会早々にお説教されていると、



「魔女セレン。お久しぶりです」

「いつぞやは」



 私への助け船のつもりなのか。

 家の中ながら、よそ行きモードになった子供達がセレンに挨拶をしにやって来る。



「ライア、ユティ!

 2人とも元気そうで何よりだわ。

 ……少し背が伸びた?

 お菓子を持って来たから食べなさいな」

「「ありがとうございます」」



 子供には優しいなぁ!

 急に笑顔になって、親戚のオバチャンみたく、お菓子あげて!!

 私の時とは打って変わって、急に優しくなってさあ!!!




「……で、さっきの話だけど」

「(切り替え早っ)」

「突然変異の白い巨猿王と戦って、倒したって言ったわね?」

「は、はい……」

「返り血も浴びた?」

「右手で頭を叩き潰した時、右半身にそこそこ」

「ふん………。

 ま、髪が白くなった原因はそれかしらね」




 不機嫌そうだった魔女セレンが、今日初めて、愉快そうにわらった。



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