表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
33/39

33 救世主って、なぜお前がここに?

「やめろーっ!」

 俺が叫んだその時、ズボンのポケットが光りだした。

 探って取り出してみると、ドーラからもらった球だった。

「す、すごい光……」

「な、なんだこの光はっ!」

 まばゆい光が、俺たちの周りを照らした。

 やがて光は無くなり、現れたのはラージャだった。

 しかし、獣の姿ではなく、会った時と同じ美女の姿だった。

「久いのぅ、ギリク」

「えっ、ラージャ?!」

「ラージャ、なぜお前がここにいるのです」

「今のこのわしは分身みたいなものじゃ」

 俺とギリクが驚いていると、ラージャは転がっている球を指さす。

「ドーラに前もって預けておいて正解じゃったな。それよりギリクよ……」

 ラージャから笑みが消え、ギリクを睨みつける。

 その表情は怒りそのものだ。

「わしの可愛い僕から、その汚い足をどけい」

 ギリクにラージャの怒りが伝わったのか、ドーラから足をどけてこちらに向き直る。

 それよりも、俺には1つ疑問があった。

「ラージャ、なんで出てきてくれたんだ?」

「なんでって、わしのお気に入りが殺されるのは嫌じゃからのぅ」

 すると、ラージャは俺に歩み寄り、そっと頬に手で触れた。

「それに、お前がギリクを殴るのを、この目で見たかったのもあるかのぅ」

「残念ですね。その者は私に触れる事すら出来ないのですから」

「ならば、わしが手を貸そう」

「手を貸すって、一体何をする気なんだ?」

「こうするのさ。マジックエリア、解除!」

 ラージャの言葉に反応して、部屋全体に魔法陣が浮かび上がった。

 だが、その全部が音を立てて崩れ去った。

「なっ! 私の魔法陣を打ち消しただと?」

「わしが気づかんとでも思ったかい? 見くびられては困るねぇ」

 驚いているギリクを見て、ラージャはとてもうれしそうだ。

 そして、俺は今までの戦いを思いだす。

「そうか、予め魔法陣で俺の力を制限していたのか」

「これで、ソーマも心置きなく戦えるだろう」

「ありがとう、ラージャ!」

「ふんっ、魔力の制限がなくなったくらいで、私に勝てるとでも?」

 自分の魔法陣が解かれた事が悔しいのか、ギリクが歯を食いしばりながらこちらを睨みつけてくる。

「カラクリがわかれば、こっちのもんだ!」

 俺は立ち上がり、杖をギリクに向けた。

「お前に勝ってやるさ。そして、ゆうひも返してもらうぞ」

「面白い事を言いますね。なら、やってみなさい!」

 俺とギリクが睨み合っている時、ゆうひがラージャに呼びかけた。

「ラージャ様、私のこの縄を解いて下さい!」

「おや、お前そんな姿で何をしておる?」

「ギリクに捕まっているんです! 早くそうま君の所に行きたいのに……」

「しょうがない奴じゃのぅ」

 俺はその会話が聞こえたので、後ろを振り向く。

 ラージャはため息をつきながら、指をパチンと鳴らした。

 それに合わせて、ゆうひを縛っていた縄はちぎれた。

「ほれ、これで動けるじゃろう」

「ありがとうございます!」

 ゆうひはお礼を言って、こちらに走ってくる。

「そうま君!」

「ゆうひ! こっちに来たらダメだ。離れてろよ」

「大丈夫よ。それよりも、あいつをぶっとばすんでしょ?」

「あぁ、そのつもりだよ」

「ゆうひ、あなたは私の新しい器になるのですから、大人しくしていなさい」

「嫌よ。もう私は、大切なものを失くしたくない!」

 ゆうひが剣を構えたので、俺も杖を構えた。

 ドーラも起き上がり、俺たちの方に飛んでくる。

「くくく……それで勝ったつもりですか?」

 ギリクは笑みを絶やさない。

 なぜ、そこまで勝利を確信できるんだ。

 俺はギリクの圧に負けそうになるが、仲間たちを見てもう一度前を向く。

「その希望がどこまで続きますかね……」

「私たちは負けない! はあぁっ!」

 ゆうひが一気に駆けだし、ギリクに斬りかかった。

 何度も斬撃を入れるが、ギリクは笑みを絶やさず受け流していく。

「ゆうひ、避けろ! ボン・エアー!」

 俺の声を聞いて、ゆうひが一旦離れる。

 そこへ、風をまとった炎の球を放ち爆発させる。

「くくく……さっきよりは威力が増したようですね」

「これでもきかないのか!」

「ギリクはわしら魔王の中でも、防御にたけているからのぅ」

「もしかして、また魔法陣とかはってるんじゃないのか?」

「あり得るのぅ。おい、奴の足止めを頼めるかい?」

「お任せ下さい、ラージャ様」

 ドーラはラージャに頭を下げると、ギリクに向かって飛んでいく。

「グオォーッ!」

「雑魚の魔物め、お前など相手になるものか!」

 ドーラとギリクが激突し、火花が飛び散った。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ