表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
27/39

27 仲間の元へ急げ!

 俺たち4人は階段を上がっていた。

「そういえば、君たちって何の力が使えるんだ?」

「あたしは風を操れるの。おにいさんを受け止めたのもあたしの力なんだよ」

「あぁ、あの時はありがとうな。おかげで怪我せずにすんだよ」

 俺がお礼を言うと、クランはうれしそうに微笑んだ。

「僕は発した言葉で、相手の動きを制限できるんだ」

「すごいな。言霊みたいなものかな?」

「そうだね。でもこの力、あまり使いたくないんだ」

マイクは俯いてしまった。本当にその力が嫌なんだな。

 俺は話をそらすために、横にいるたくやに話しかける。

「たくやは何が出来るんだ?」

「俺は地面に触れれば、自由自在に使う事ができるんだぜ」

「へぇー、すごいな。ん? ちょっと待てよ……」

 俺はホールで起きた事を思いだす。

 そして、ひきつった顔でたくやを見る。

「……もしかして、俺が落ちた原因って、お前の力なんじゃないか?」

「バカ言うなよ! 俺は何もしていない!」

 俺に疑われている事を感じたのか、たくやはムキになって怒りだす。

 それがわかったので、俺はなだめるように両手を振った。

「わかった、わかった。悪かったな、疑ったりして」

「ふんっ」

 たくやはまだ怒っているようで、そっぽを向いてしまった。

 じゃぁ、あの地割れは偶然起きたのか?

 1つの疑問を残したまま、俺たちは暗い階段を上がる。

 そして階段が終わると、ドアが現れる。

 開くと、明るい場所に出た。どうやら、廊下に出たらしい。

「ふー、やっと地下から出れたよ」

 子どもたちは地下から出れたのがうれしいのか、のびをしている。

 しかし、俺は少し違和感を感じていた。

 でも、変だな。ここまで何事もなく来ているのがおかしい。

「罠、なのか?」

「お兄さん、どうしたの……」

 マイクが俺に近づこうとした時、床から無数の黒い影が出現した。

「なっ、床から影みたいなのが出てきた!」

「あたしの風で吹き飛ばしてやる!」

 俺が驚いていると、クランが飛びだした。

 両手を使い、風を操りながら影を吹き飛ばしていく。

 だが、影は減るどころか、増える一方だ。

「どんどん出てくるよ!」

「全員俺の後ろに下がってろ!」

 俺は3人を後ろに守って杖を取り出す。

 それを上に向け、呪文を唱える。

「マジックサンダー!」

 すると、影たちの上に雷雲が出現し、たくさんの雷を落とした。

 すごい音と光だったので、子どもたちは驚いていた。

 あっという間に影はいなくなったが、被害は甚大だった。

 床は焦げた跡が残り、窓は衝撃のせいかすべてひびが入っている。

「やばい……これはなかった事にしよう」

「すごい、お兄さん! 全部倒しちゃった」

 子どもたちが喜んでくれたのはうれしいが、俺はすぐ気を引き締める。

「安心するのはまだ早いぞ。次が来る前に、移動しよう」

 子どもたちは頷き、急いで廊下を走った。

 しばらくすると、またドアが見えてきた。

「この向こうが、お兄さんがいたっていうホールだよ」

 マイクが教えてくれたので、俺はドアを開ける。

 そこは確かに俺がいたホールだった。

 しかし、仲間たちは魔物に囲まれていた。

 ドーラはドラゴンの姿に戻り、応戦している。

「よかった、皆いるな! あれ、ゆうひがいない?」

 全員の無事を確かめたかったが、ゆうひの姿が見えない。

 俺は不安になったが、頭を振って、目の前の事に集中する。

「とにかく、今は皆を助けよう!」

「あたしたちも手伝うからね!」

「ありがとう! じゃぁ、たくやの能力を貸してくれないか」

「いいぜ。俺に任せろ!」

  たくやは笑みを浮かべ、両手を床につける。

 すると、突然床が盛り上がり、魔物たちの足場を崩していく。

「次はあたしよ! はあぁっ!」

 クランが風を操り、魔物以外のものも上に巻き上げる。

 そして、落ちてきたものに俺は目を見開く。

「えっ……首が無い?」

 それは首の無い人間の体だった。

「ソーマ、多分それは、ここにいた兵士たちだろう」

 俺が驚いていると、アルタさんがこちらに気づいたらしく近づいてきた。

「糸みたいなもので操られていたらしい。さっきの風で切れたみたいだ」

「アルタさん、皆も無事でよかった」

「あぁ。ソーマも怪我が無くて安心したぞ。ところで、その子どもたちは?」

 アルタさんは、俺の後ろにいる子どもたちを指さした。

「この子たちは、この世界に転移させられた子どもたちです」

「なに? ならゆうひ殿と同じという事か」

「そうだ! ゆうひは? ゆうひはどこにいるんです!」

「あぁ、それは……」

 アルタさんは、気まずそうに今までの事を話し始めた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ