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君の笑顔を取り戻すために、転生した俺は魔王を倒しに行くと決めた!  作者: しゅうらい
第2章 目指すは、海の向こうのアイーダ国
23/39

23 穏やかな日々

 ゆうひとシルフィの決闘が終わり、俺たちは領主様の家に招かれていた。

「さぁ皆様、遠慮なく食べて下さい」

「ありがとうございます。いただきます!」

 そして皆で食事をし、雑談で盛り上がった。

 すると、シルフィがゆうひをちらっと見た。

「しかし、あのビームには驚いたにゃ」

「そうだ、ゆうひ。あんな技使えたんだな」

「本当は使いたくなかったんだけど、それじゃぁ負けてしまうと思ったから」

「あの黒い光からして、ゆうひ殿は闇属性なのかもしれんな」

「闇属性?」

 俺が首を傾げていると、ツクシが珍しく説明をしてくれた。

「魔法使いには、それぞれ得意な魔法の属性があるんだよ」

「へぇー、そうなのか」

「僕は光属性の魔法が得意かな。だから、ソーマみたいにいろんな魔法が使えるのは珍しいんだよ?」

「そうなんだ。全然自覚なかった」

「だけど、ゆうひさんは魔法使いじゃないのに、なんであんな攻撃出来たんだろ」

「わからないけど、もしかしたら転移させられた時に習得したのかもな」

 ツクシもゆうひを見たが、ゆうひは静かに食事をしている。

 多分、あまりふれられたくないんだろうな。

「それにしても、これからどうやってアイーダ国に行ったらいいんだろう」

「そうだな。またドーラに乗せてもらっても、上空ではサンダーバードたちがまた襲ってくるかもしれん」

「それでしたら……」

 俺とアルタさんが話していると、領主様から声をかけられた。

「私たちの使っている海路を使って下さい」

「本当ですか!」

「はい。シルフィがお世話になるので、これくらいはさせて下さい」

「お気遣い感謝します。それで、準備はどのくらいかかりますか?」

「3日もあれば手配できます。それまで皆様、ゆっくりなさって下さい」

「ありがとうございます!」

 それから俺たちは、それぞれビーストランドを見物する事にした。

「ふー、やっと落ち着いたな」

「でも、なんだか久しぶりだね。2人っきりになるの」

「そうだなー」

 俺はあいづちをしたが、頭の中では別の事を考えていた。

 それは、他の仲間たちの事である。

 なぜか、俺とゆうひを2人っきりにしたがっていたのは気のせいだろうか。

 俺がそう思ったのは、こんなやり取りがあったからである。

「ソーマはゆうひさんと、この島を見てきたらどう?」

「そうにゃ。ソーマはお前のものなんだから、今日ぐらい一緒にいたらいいにゃ」

「えー、皆で見て回った方がいいんじゃないのか」

「ソーマ様、たまにはゆうひ様と色々お話された方がいいですよ」

「そうだぞ、ソーマ。俺たちの事は気にせず、ゆうひ殿と回るといい」

 皆に言われてゆうひと一緒に行動しているけど……

「なかなか会話が弾まない……」

「そうま君、どうしたの。難しい顔になっているよ」

「えっ、俺そんな顔してた?」

 しまった、つい顔に出てしまうとは。

 俺が自分の顔を触っていると、ゆうひがぽつりと言った。

「私と一緒じゃつまらないよね。ごめんね」

「そ、そんな事ないよ! ちょっと皆の事を思いだしただけだから」

 慌てた俺は、なぜかゆうひに睨まれた。

「もしかして、またあのシルフィって子の事、考えてたの?」

「なんでそこでシルフィの名前が出るんだよ」

「それは……」

 今度は黙りこんでしまう。そのまま俺たちは黙ったまま歩いていく。

 うっ……沈黙が重い。どうしたものか。

「俺はただ、楽しい話題を考えてただけだよ」

「そうなの?」

「そう。どうしたらゆうひが笑ってくれるか、楽しんでくれるか、それだけだよ」

「そうなんだ……」

 ゆうひは、なんだかほっとしたような顔になった。

 よかった。機嫌が直ったみたいで。

 それから俺とゆうひは、ビーストランドの市場を見て回った。

 たくさんの食材や雑貨が売っていて皆いきいきしていた。

 すると、1人の獣人から声をかけられた。

「お兄さん、どうだい? 彼女さんにプレゼントとして買っていかないかい?」

「か、彼女?!」

「おや、違うのかい?」

「ち、違います! すみません、失礼しまーす!」

 俺はゆうひの手を取って、そのまま急いで駆けだす。

「はぁ……2人っきりだったから、勘違いされたのかな……」

「私は、そのまま勘違いでもよかったのに」

「えっ……」

 俺が驚くのをほっといて、ゆうひは先を歩きだす。

 ゆうひ、それは一体どういう事?!

 俺の心は、モヤモヤした気持ちのまま3日が過ぎた。

「皆様、船の準備が整いました。いつでも出発できます」

「ふぇー。でっかい船だなー……」

 俺はその大きさに、ぽかんと口を開けた。

 振り向くと、アルタさんが領主様にお礼を言っていた。

「手配してもらい、本当にありがとうございます、領主様」

「どうかお気をつけて」

 そして、領主様や町の獣人たちに見送られながら、俺たちは船に乗りこんだ。

 やっと、目的地であるアイーダ国に行けるんだ。

 待っていろよ、魔王・ギリク。必ず、お前を倒してやる!


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