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君の笑顔を取り戻すために、転生した俺は魔王を倒しに行くと決めた!  作者: しゅうらい
第2章 目指すは、海の向こうのアイーダ国
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21 決闘開始!

 次の日、俺たちがコロシアムに向かうと、シルフィが仁王立ちをして待っていた。

「ようやく来たかにゃ。逃げなかった事、ほめてやるにゃ」

 うわー、この子、勝つ気満々だよ……

 俺が苦笑いを浮かべていると、シルフィが近づいてきた。

「ソーマ、昨日はよく眠れたかにゃ?」

「シルフィのせいで、色々大変だったよ」

「それはよかったにゃ。じゃぁ、中に案内するにゃ」

 中に入ると、大勢の観客が入っていた。すごい歓声である。

「「すごい……いっぱい人が入っているね」」

「町の人、全員来ているんじゃないか?」

「じゃぁソーマはこっちに来るにゃ」

「え、俺どこに連れていかれるの?」

「ソーマは景品だからにゃ。とてもいい場所に座ってもらうにゃ」

「景品?!」

 驚く俺の腕を取り、シルフィは全体が見渡せる少し高い場所に案内した。

「さぁ、ここに座ってくれにゃ。そして、リボンをこうかけて……」

「おいおい! なんでそんなリボンまでするんだよ!」

「景品にリボンは必要だにゃ。文句言わずに巻かれるにゃ」

 あっという間にリボンを巻かれた俺は、ぐったりして横になっている。

 アルタさんたちは俺の横に案内されていた。

 アルタさんは、また微笑ましそうに俺を見ていた。

「ソーマ、なんか可愛らしくなったじゃないか」

「アルタさん、もういっそ滑稽だと笑って下さい……」

 俺は半ばあきらめたように言っていると、中央にゆうひとシルフィが現れた。

 お互い向き合って立っている。

「これから決闘を始めるが、ルールを説明するにゃ」

「ルール?」

「ルールは簡単。どちらかが相手に一撃くらわすか、倒せばいいにゃ」

 すると、シルフィが右手を上げて、指をパチンと鳴らした。

「だけど、ただ戦うだけじゃつまらないから、少し制限をつけさせてもらうにゃ」

 シルフィの指が鳴ったのと同時に円形の端が動き、穴が出現する。

 俺が覗くと、下には無数の針がびっしりと並んでいた。

「その穴に落ちれば、無数の針が己を貫くにゃ。せいぜい落ちないように気を付けるんだにゃ」

 シルフィが腕を組んで、ゆうひを挑発する。

「では、両者位置について下さい」

 やがて、審判である者が出てきた。

 見た目はダチョウのようで、目がギョロッと動いている。

 審判に言われて、2人とも指定の位置に立った。

「ゆうひ、大丈夫かな……」

「ゆうひ殿は剣が強い。それはソーマが1番わかっているんじゃないか?」

「そうですけど、シルフィの能力もわからないので心配です」

 俺の心配をよそに、審判が片手を上げる。

「では、決闘始め!」

 審判が手を下ろすと、シルフィが勢いよく駆けだした。

「先手必勝!」

「くっ……」

 シルフィの防具をつけた拳が、ゆうひの剣に当たり少し吹き飛ばされる。

 しかし、ゆうひは体制を整え、すぐに剣を構え走りだした。

「はあぁっ!」

「遅いにゃ!」

 シルフィは軽々と避け、空中で体制を変えまた拳で殴りにかかる。

「どうやら、シルフィ殿は肉弾戦が得意なようだな」

「アルタさん、なに冷静に分析しているんですか!」

 俺は冷静ではいられなかった。

 ゆうひの攻撃は、シルフィに何度も避けられて当たっていない。

「攻撃しても、何度も避けられてしまう……なら、間合いをつめるのみ!」

 ゆうひは足に力をこめ、シルフィとの距離をつめる。

「はあぁっ!」

「ふふっ、なかなかやるにゃ。そうこなくっちゃ面白くないにゃ!」

 シルフィは笑っていた。本当にこの決闘を楽しんでいる。

「なんで戦っているのに、笑っているんだよ……」

「それは、私の教育がそうさせてしまったのです」

 俺がシルフィにショックを受けていると、誰かから話しかけられた。

 振り向くと、仙人のようにひげを生やした高齢の男性が立っていた。

 よく見ると、その獣人にも猫耳としっぽがあった。

「あなたは?」

「私はここの領主であり、シルフィの父親です」

「りょ、領主様?! なんでそんな方が俺たちの所に……」

「実は、昨日あの子が言ってきたんです。面白い奴らが来たと」

 それって、俺たちの事かな。

「あの子には、小さい頃から鍛練をさせてきました」

「そうだ! 確か自分は戦士だと言っていました」

「はい。このような小さな島は、いつどこの国から攻められてもおかしくありません」

 シルフィの父親は、静かに語りだした。

「だから強くなるように、教育をしてきましたが、あの子の中で、戦いは楽しいものだと認識してしまったようです」

「そんな……」

 俺は、まだ戦っている2人に目を向けた。


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