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君の笑顔を取り戻すために、転生した俺は魔王を倒しに行くと決めた!  作者: しゅうらい
第2章 目指すは、海の向こうのアイーダ国
18/39

18 ビーストランドへようこそ

「あれはドーラだ! 皆も乗っている! おーい、俺はここだよー!」

 俺は喜びのあまり、飛び上がりながら自分の場所を教えた。

 少しして、皆が島に到着した。

「ソーマ、無事でよかった!」

「皆、心配したんですよ!」

 ツクシとメアリが俺に近づいてくる。

 アルタさんとガイナは呆れた顔をしていたが、どこかほっとしたような感じがした。

「まったく、しぶとい奴だなお前は」

「ドーラ、皆を連れてきてくれてありがとう」

「ふんっ」

 ドーラは人の姿になり、アルタさんたち同様呆れていた。

 皆、もうちょっと心配してくれてもいいんじゃない?

 俺は肩を落としたが、ゆうひが離れた所にいるのに気がつく。

「ゆうひー! なんでそんな所にいるんだよ。こっち来いよ!」

 ゆうひは首を横に振った。なんだろう、なぜか辛そうな顔をしているような……

 俺はゆうひの様子が気になり、小走りで近づいた。

「ゆうひ、どうした?」

「……」

 ゆうひは黙ったまま下を向いている。俺は昔のようにゆうひの頭を撫でた。

 すると、ゆっくりとゆうひは顔を上げた。その顔は少し泣きそうな顔だった。

「ゆうひ?」

「……怖かった。また大切な人がいなくなってしまうかと思った」

 ゆうひは大粒の涙を流した。両手を胸の前で握りしめている。

「よかった、そうま君が無事で……」

「俺はいなくなったりしないよ。お前の笑顔を取り戻すって決めたんだから」

「そうま君……」

 俺はゆうひを優しく抱きしめた。腕の中のゆうひも、安心したように大人しくしている。

「おーい、いちゃつくのはそれくらいにしろー」

 アルタさんの呆れた声に、俺ははっとする。

 しまったーっ! 今は2人きりじゃなかった。

 俺はひきつる顔で皆を見た。

 呆れる者や微笑ましく見ている者、恥ずかしそうに顔を覆っている者反応はそれぞれである。

「ゆ、ゆうひ、皆の所に行くぞ。これからの事を話さないといけないからな!」

「……うん」

 俺は照れているのを隠しながら、ゆうひの手を引いて皆の所に行った。

「話はもう終わったのか?」

「き、気にしないで下さい。それより、これからどうしましょう」

「そうだな……この島がどんな島かもわからないし、何よりこの少女は何者なんだ」

 アルタさんは、シルフィを指さした。

「彼女は、落ちた俺を受け止めてくれたんです」

 まぁ、助けたとは言わなくてもいっか。彼女もそのつもりはなかったみたいだし。

「あたしはシルフィ。ここビーストランドに住む猫族だにゃ」

「まぁ、可愛らしいお嬢さんだこと」

「あたしは戦士だにゃ。可愛いとか言わないでほしいにゃ」

 シルフィは不機嫌そうだったが、語尾ににゃとついているから、どうしても可愛く見えてしまう。

「まぁ、ここに着いたのも何かの縁にゃ。まずはこの島を案内するにゃ」

「ありがとう」

俺たちはシルフィを先頭に、島の中を歩いていた。

「ソーマ、ドーラってすごいんだよ! あのモンスターたちを振り切ってこの島まで来たんだから」

「へー。じゃぁ、あの爆発をかいくぐったって事か?」

「そうだよ。ソーマを助けに行きたかったけど、数が多くて間に合わなかった」

「本当シルフィがいて助かったよ」

「あたしは、そのつもりはなかったにゃ」

 シルフィはこちらに振り返り、人さし指をあごに当てて考える仕草をした。

「どちらかと言えば、エサが降ってきたという感じかにゃ」

「え、エサ?!」

 今この子、とんでもない事を言ったよな。

 俺は血の気が引いたような気がした。

 しばらく歩くと、町が見えてきた。

「ここが、あたしたちの住んでいるビーストランドだにゃ!」

 その町では、たくさんの獣人が暮らしていた。

 働いている者や、買い物をしている者もいた。

「ふぇー。獣人がいっぱいいるな」

 俺は初めて見る光景に、わくわくしながら周りを見ていた。

 しかし、なんだか皆こちらを見ているような……

 俺は少し気になり、シルフィに問いかけた。

「なぁ、シルフィ。なんか皆こっちを見ている気がするんだけど……」

「あぁ、その通りだにゃ。人間が来るのは珍しい事だからにゃ」

「そ、そうなのか」

「安心するにゃ。お前たちを獲物として見ている訳ではないからにゃ」

 またしても、この子は恐ろしい事を言うな。


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