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君の笑顔を取り戻すために、転生した俺は魔王を倒しに行くと決めた!  作者: しゅうらい
第2章 目指すは、海の向こうのアイーダ国
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16 和解と情報

「ゆうひ?! 一体何をするんだよ!」

「何って、魔王は倒さないといけない。大丈夫、ツクシ君が縛ってくれているから、一撃で終わらせる」

 ゆうひが剣を振り上げたので、俺は急いでラージャとゆうひの間に入った。

「……そこをどいて、そうま君」

「待ってくれ、ゆうひ! こいつは魔王なんだ。他の奴らの事も知っているかもしれないだろ」

「そうだな。すぐ殺してしまうのは得策ではないと思うぞ」

「アルタさん……」

 アルタさんが助けぶねを出してくれたので、ため息をつきながらゆうひは剣をしまった。

「おい、人間。なぜわしを庇ったんだ」

「俺は、あんたから話を聞きたいんだ」

「話だと?」

 ラージャは獣の姿から、また人の姿に戻った。

 その際に光の鎖は、力を失い消えてしまう。

「わしに話とはなんだ?」

「あんた、魔王なんだろ? なら、他の魔王の事も知っているんじゃないのか?」

「あぁ、知っているよ」

「教えてほしい人物がいる。ゆうひはある魔王にこの世界に転移させられたんだ。そいつは海の向こうの国にいるらしいんだが、わかるか?」

 俺の問いに、ラージャはあごに手を当て、考える仕草をした。

「ソーマ、その事についてだが、俺たちにも詳しく話してくれないか」

 俺はゆうひがこの世界に転移させられた経緯を全員に説明した。

「なるほど。ゆうひ殿が魔物を引き付けてしまうのは、その魔王が逃がさないようにしているのか、または他に目的があるのかもしれんな」

「ラージャ、何か思いだしたか?」

「あぁ。海の向こうなら、そこにいるのは魔王・ギリクだな」

「魔王・ギリク?」

「そうさ。そいつはとんだ変わり者でね。いろんな研究をしていると聞いた事があるな」

「じゃぁ、そいつがゆうひを転移させた張本人か!」

「なんだ、ギリクに用があるのか?」

「俺はそいつをぶん殴りにいくんだ!」

 ラージャは一瞬驚いた顔をしたが、また高笑いをした。

「はははっ! お前は面白い奴だな」

「え、面白い?」

 全員を見たら、皆頷いていた。いや、納得しないでよ。

「滅多にいないぞ、魔王を殴りにいく奴は。命は惜しいものな」

 ラージャは立ち上がり、指をパチンと鳴らした。

「わしは一緒に行けんし、お前たちだけでは頼りないから、こいつを連れていけ」

 指を鳴らしてすぐに現れたのは、赤い巨大なドラゴンだった。

「げっ、またドラゴン?!」

「心配するな。こいつはわしに仕えている者で、聞きわけがいいんだ」

「そ、そうなのか?」

 ラージャは、ドラゴンに近づき手をかざした。

 すると、ドラゴンの姿は変わり、人の姿になった。

 外見は、赤い髪の長髪で、切れ長のオレンジ色の瞳をしていた。背も高くて、ガイナといい勝負だ。

「それでは、こいつらを頼むぞ」

「お任せ下さい、ラージャ様」

「すごく有難いんだけど、ここ行き止まりじゃないか。海に出るには、どうしたらいいんだ?」

「あぁ、それならこの入り口を使うといい」

 ラージャが岩に手をかざすと、岩が動き抜け道が現れた。

「まさかの抜け道?!」

「さぁ、早く行くといい。ギリクによろしくな」

「俺、そいつを殴りにいくんだけど……」

「ははっ、そうだったな。じゃぁ、思いっきり殴り飛ばしてやれ」

「もちろん! あ、それと森の入り口に馬があると思うんだけど、世話頼んでいいかな」

「……別に構わんが、わしの力で町の近くまでワープは出来るぞ」

「え、そうなの? なら、海の向こうの国まで頼むよ」

「無理を言うな。そっちはわしの支配から外れるから無理じゃ」

「なんだよー。期待したじゃんか」

「……お前、ラージャ様に無礼だぞ」

 ドラゴンに睨まれたので、俺は苦笑いした。なんかガイナが2人増えた気がする。

 ラージャに見送られて、俺たちは抜け道を進んでいた。

 しばらくすると、光が差しこんできたので出口が近い事がわかった。

「や、やっと出口か」

「けっこう歩いたね……」

「2人とも、少しは体力つけた方がいいよ」

「なんか、さっきも言われた気がするな……」

 ゆうひは呆れたのか、ため息をついて俺とツクシの前を歩く。

 外に出ると、まだ森の中だったが、少し向こうに海が見えた。

「ふー、やっと海だよ」

「ここからアイーダ国まで距離があるからな。ドラゴンならひとっとびじゃないか?」

「俺はラージャ様に言われてついてきただけで、お前たちに指図される筋合いはない」

 ドラゴンは淡々としゃべって、そっぽを向いてしまった。

「じゃぁ仕方ない。そのラージャ様に言って従ってもらうしかないな」

「……ラージャ様に何かしたら、ただじゃおかないぞ」

 ドラゴンとアルタさんが睨み合っていたので、俺はすぐに間に入った。

「ラージャには言わないから、アイーダ国までは連れていってくれないか?」

「……仕方ない。なぜラージャ様はこんな奴らに肩入れを……」

 ドラゴンは文句を言っていたが、元の姿に戻り、背中に俺たちを乗せてくれた。


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