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君の笑顔を取り戻すために、転生した俺は魔王を倒しに行くと決めた!  作者: しゅうらい
第2章 目指すは、海の向こうのアイーダ国
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10 いざ、ベルグールへ!

 屋敷を出発した俺たちは、アルタという人物に会うため、ベルグールを目指していた。

「えっと……ここからベルグールまではどう行ったらいいんだ?」

 俺はジェフおじさんからもらった地図を確認してみたが、意外と遠い事がわかった。

「さすがに歩きだと、時間かかりそうだな」

「なら、途中で馬車を手配したらどうでしょうか」

「そうだな。もうすぐ近くの町も見えてくるし、そこで馬車を探そう」

 俺たちは町に着き、馬車はメアリがすぐ手配してくれた。

 それから俺たちはベルグールに向かうが、馬車の中は乗り心地が悪く、さすがに酔いそうだった。

 あ、ツクシはもう酔ったらしく、横になっていた。

「お客さんすまないね。ここの道は工事されていないから、足場が悪いんだよ」

「だ、大丈夫です……」

 乗っている俺たちに気を遣ったのか、手綱を持ちながら男が話しかけてきた。

 俺はなんとか返事をしたが、さすがにもう無理かもしれない。

「そうま君、気分が悪いなら横になっていいよ? 着いたら起こしてあげるから」

「あ、ありがとうゆうひ……そうさせてもらうわ」

 それから俺は横になって寝た。

 しばらくして、ゆうひが顔を叩いてきた。

「そうま君、着いたよ」

「ふぇ? もうそんな時間?」

「何寝ぼけているの。ベルグールに着いたんだよ」

「そうなのか! じゃぁ、早くおりないと!」

 そして馬車をおりた俺たちは、お金を払ってベルグールに入った。

 ベルグールは近くに大きな川が流れており、市場がとても活気づいていた。

「へぇー。ここもけっこう広い町なんだな」

「ソーマ、それでアルタって人はどこに住んでいるの?」

「えっと、確か地図によると町から少し離れた所に住んでいるらしい」

「それなら、会うのは明日にしたらどうでしょうか。もう日が暮れてきましたし……」

「そうだな。そしたら、どこか宿でも見つけようか」

 幸い、すぐに宿は見つかった。町の中でも大きな宿だ。

「俺はもう少し、小さな所でもよかったんだがな」

「いいじゃない、いい所が見つかったんだから」

「では、私たちは隣の部屋にいますので、ご用があれば呼んで下さい」

「ありがとう、ゆっくり休んでね」

 ゆうひとメアリが部屋を出ていくと、さっきまで横になっていたツクシが俺に近づいてくる。

「ねぇ、ソーマはゆうひさんとどういう関係なの? なんかけっこう仲良くない?」

「あぁ、俺たちは幼なじみなんだよ。今回の旅もゆうひのためなんだ」

「そうなの?」

「俺はゆうひの笑顔を取り戻したいんだ」

「確かに、笑ったところ見た事ないかも」

「ゆうひのためなら、俺はなんだってするよ」

「すごいね、ソーマ。誰かのためにそこまで出来るなんて。僕なんかこんな性格だから、ソーマが羨ましいよ」

「いやー、そこまで言われると照れるな」

 俺は照れ笑いをして、頭をかいた。

「ツクシも、俺たちについてきてくれてありがとう!」

「僕も力になれるように、頑張るからね」

 そして俺とツクシは拳を突き合せた。まぁ、お互い頑張ろうという事だ。

 それからぐっすり寝た俺たちは、次の日すぐ宿を出てアルタさんのいる家に向かった。

 アルタさんの家は、ベルグールから少し離れた所にあり、小さな家だった。

 俺はドアをノックして呼びかける。

「あのー、すみません。ジェフおじさんから教えてもらいやってきました。アルタさん、いらっしゃいますか!」

 するとすぐにドアが開き、中からガタイのいい長身の男が現れた。

「……」

「あ、あの、アルタさんですか?」

 男は黙ったまま俺を見下ろす。なんだか怖い人だな。

「あのー……」

「俺はアルタ様ではない」

 アルタさんじゃないんかい! じゃぁ誰なんだよ。

 俺が驚いていると、また声が聞こえた。

「こら、ガイナ。またやってきた人を困らせているのかい」

 ガイナと呼ばれた人の後ろから、若い男性(といっても、30代後半ぐらいの年齢だろう)が顔を覗かせた。

「アルタ様、俺は別に困らせている訳では……」

 いや、勘違いはしたけど、困っていますからね!

 俺がじっと見つめているのがわかったのか、ガイナは俺を睨みつける。

「何か?」

「い、いえ!」

「ガイナ。お前は部屋にいなさい」

 アルタさんにそう言われたガイナは、納得がいかないとでもいうような顔をして奥に行った。

「うちの者がすまなかったね。それで、何のご用かな?」

「あ、あの、はじめまして。俺はそうまと言います。ジェフおじさんにあなたの事を教えてもらってここに来ました」

「ほぅ、懐かしい名前だ。とりあえず中に入るといい」

 アルタさんに促されて、俺たちは家の中に入った。


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