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託された星
「この子をお願いね」
君はそう言って、この腕に赤ん坊を抱かせた。
君の子だろうと言うと、君は首を振った。
「私は責任が持てない。育てられない」
父親はどうした。そう問いかけたら、寂しそうな顔をして笑った。
「あの人は父親になれない。ただの男でしかない」
なら、この子は誰が育てるんだ。
「貴方に育ててほしいの」
その時には、君が身勝手で我儘な女に見えた。
娘を捨てて、親としての役目を放棄して、心が痛まないのかと。
「ごめんなさい」
それが君の最期の言葉。
翌日、君は自害した。