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Sim Racing Novel Faster Fastest  作者: 赤城康彦
89/99

Final ──決勝──

(う、うーん。ソキョンさんはK-POPアイドル並みの美人で声も張りがあってよく通るから、叱咤された方が、がかえって気持ちいいのかも……)

 優佳は、ふと、ついつい、そんなことを考えた。ってゆーか、龍一はMっ気があるのかどうか。

 いやそんな嗜好はさておいて、内情がどうあれ結果的によいのではれば、それでいいのだと自分に言い聞かせた。

 チームヴァイオレットもPRID-eもカール・カイサのチームのスタッフもスペースでヘッドセット越しに選手とやり取りをする。

「ドラゴンが徐々に上がっている。トップ争いは5台になる可能性がある。注意しろ」

 各チーム選手にそう伝える。10番手スタートが今は7位だ。どのようにしてかわからないが、決勝になってから調子を取り戻したようだ。

(ドラゴンが!)

 ヴァイオレットガールとレインボー・アイリーンにカール・カイサは心が弾むのを覚えた。

 4位から5位までの間はある程度は差が開いたが。あくまでもある程度だ。

 その5位と6位の差はほとんどなく、トップ4同様バトル状態で。そこに、徐々に龍一が迫ってきているかたちだ。

 が、何かの拍子で差が縮まることだってある。

 例えば、ヴァイオレットガールのミス、クラッシュ、後続がそれに巻き込まれて。

「やーねえ、人の失敗期待しちゃうなんて」

 ソキョンは自分に苦笑する。

 実写のようなレース映像がディスプレイに映し出されて、ゼッケン2のウィングタイガーのマシンもちらちら映し出されるようになってきた。

「龍一さん、頑張って! ファイティン!」

 コスプレコンビはゼッケン2のマシンを目にし喜色を浮かべ、ひとりはあのトモシビコスプレの写真を手に、カメラに見せた。

 業務的な連絡でコスプレコンビがレースの観戦実況をするのを知っていたチームは、コンビのライブ配信も観ていたが。トモシビコスプレの写真が差し出されたのを見て笑顔で頷き。優佳を通じて龍一に伝えられた。

「ま、マジっすか!」

 可愛い可愛いと鼻の下を伸ばし、もとい、目を細めていたトモシビ推しの龍一としては限りなく嬉しい報せだった。

「うん。緊張が氷のように心に張り付いてたけど、徐々にでも融けているようね」

 ソキョンはうんうんと満足そうにうなずく。

「ファーステストラップはドラゴン! 昨日の予選で不調だったドラゴンですが、決勝になって調子を取り戻したようです!」

 実況が興奮気味に伝え。解説も、面白くなりそうだと笑みを見せレース展開の予想を楽しんだ。

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