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Sim Racing Novel Faster Fastest  作者: 赤城康彦
71/99

Qualifying ──予選──

「わかってるよ。今軽く流してるところ」

「これで軽くか、たいしたもんだ、まったく」

 その通りヴァイオレットガールことカースティ・フリントはリラックスし、微笑みを浮かべてハンドルを握り、ディスプレイを見据えていた。

「いいなこのシムリグ、うちにもって帰りたい!」

 などとそんなことをのんきそうに言うから、チームスタッフは笑うしかなかった。

「わあ、フィチ選手が来たよ!」

 予選ライブ配信を観戦しているコスプレコンビは、2位にウィングタイガーのフィチが上がったのが表示されて、喜びをあらわにする。コスプレコンビは観戦をライブ配信し、そのチャットでもフィチの2位を喜ぶ書き込みが多かった。

 予選のライブ配信は丁度フィチのゼッケン3のマシンを映す。ゴースト設定なので、ほかのマシンと接触しても透き通ってゆくのはおかしいものだったが、ご愛嬌でもあった。

「AVP gamingさん、この間はいろいろとグッズをいただいてありがとうございます! 謝謝シェシェ!」

 コスプレコンビはフィチのマシンのAVP gamingのロゴを見て、そう言いながら、着ているウィングタイガーのユニフォームの胸部のロゴを指さす。

 コスプレイヤーもプロともなれば様々なメーカーのプロモーションに関わっている。彼女らもAVP gamingをはじめとするメーカーのプロモーションに関わり、グッズなどの差し入れもあった。

 1位ヴァイオレットガール、2位スパイラル・K。3位はカール・カイサ。4位からしばらくはほかの選手で、9位にレインボー・アイリーンことアイリーン・エヴァンス。龍一は15位だった。

 現在はゼッケン3番のフィチのマシンがほかのマシンなどいないがばかりに疾走するのが映し出されていたが、次にゼッケン1の緑の鰐のマシンが映し出される。

 カール・カイサだ。

 このマシンもほかのマシンなどいないとばかりにコースを駆けている。ゴースト設定で透き通るからなおさらその様子が強調される。

「今大会でひとり、リアルレースでもプロ経験者であるカール・カイサが3位につけています。この勢いだとスパイラル・Kとヴァイオレットガールを抜いて1位もいけそうです」

「カール・カイサはとても力強い走りをするレーサーです、私も彼の走りを見て興奮していたものですが、その力強さはシムレーシングでも変わりませんね!」 

 解説もひとりのレースファンとしてカール・カイサにあこがれを抱いていたから、この大会に出てくれたのが嬉しかったのだった。

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