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Sim Racing Novel Faster Fastest  作者: 赤城康彦
67/99

New changes ―新しい変化―

 フィチもカール・カイサも、ヴァイオレットガールもレインボー・アイリーンも、落ち着いたものだった。

「わくわくするね!」

 6番と7番と、ふたりの女性シムレーサーもうまく並んだものだった。笑顔で軽く会話を交わす。

 カール・カイサはシムリグに身を預け、龍一の方に向き、親指を立てる。

「いいレースをしよう。でも、負けないよ!」

 無言ながらそんなメッセージが伝わる。龍一も笑顔を返し、親指を立て返し。

「いいレースをしましょう。僕だって、負けませんよ!」

 と、目でそんなメッセージを送る。3番のフィチも、カール・カイサに笑顔を向け、親指を立て。次いで4番のシムレーサーにも振り向き、笑顔で親指を立て合う。

 この予選の様子も動画投稿サイトにてライブ配信される。

 ソキョンはあのコスプレコンビのチャンネルを覗いた。すでにライブ配信を始めて、チャットと楽しげに話している。

 アイスランドと日本、韓国の時差は9時間。日本と韓国の時間が9時間先に進む。アイスランドは午前11時になる少し前、ということは、日本と韓国は夜、20時=午後8時になる少し前だ。

 コスプレコンビはウィングタイガーのユニフォームを身にまとっている。コンビはトレーニングを欠かさず均整の取れたボディをしており、女性アスリートのようにも見える。

「フィチ、龍一さん、ふたりが観てますよ」

 ソキョンはスマホを龍一とフィチに見せた。

 仕事上の付き合いではあるが、お互い人間同士の人付き合いもできて、互いに親しみを感じていた。

「ウィングタイガー、ファイティン、ファイティン!」

 ひとりが言えば、相方も、

「ウィングタイガーでワンツー! ファイティン、ファイティン!」

 とにこやかに言う。

 フィチも龍一も、照れと闘志を同時に覚えるのだった。

「よし、僕がポールで君が2位で、決勝もそれでいこう」

「おいおい、オレが1位でフィチが2位だろう」

「……うふふ」

 軽く牽制と冗談を飛ばし合うふたりに、優佳は思わずほほえんでしまった。ウィングタイガーにチームオーダーはない。ふたり、切磋琢磨し合ってワンツーでフィニッシュできるに越したことはない。

「張り合いすぎて共倒れだけはしないでね」

 ソキョンは笑顔でふたりを牽制する。牽制されて、ふたりは、

「はい」

 と、苦笑まじりに返事をするのだった。

 韓国ではコスプレコンビだけでなくフィチの両親も、日本では龍一の両親が、それぞれ予選の配信を観ようとテレビの前でスタンバイしていた。

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