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Sim Racing Novel Faster Fastest  作者: 赤城康彦
66/99

New changes ―新しい変化―

 本当に本当に、夢の中にいるみたいだった。もし夢であっても、出来ることなら、覚めないでいてほしかった。

 もちろんこれは夢じゃない。現実だ。でも、現実なら現実で、なにか、魔法で時間を止められるのなら、喜んで止めただろう。

 そう思えるほどに、龍一は夢心地だった。

 しかし時間が止まる魔法ももちろんなく。時計の針は進んでゆく。

 やがて時間が来て、4人は惜しみつつ、じゃあまた明日と、自室に戻った。


 翌日、スターティンググリッドを決める予選の日。

 朝食を食してバスでアリーナに移動し、予選前ミーティングで必要事項の確認。

 予選は午前11時から12時までと、午後1時から2時までのと、2回行われ。その中で一番いいタイムが採用される。基本的に予選落ちはないが。

「あんまりにも遅かったら、参加意思がないものとみなして失格だよ」

 と、主催者は言った。その基準はトップタイムから110%以上なので、注意してほしい、とのことだった。

(さりげに厳しいな)

 そこはやはり世界大会、World GP。エンジョイ勢お断りなのも当然の話ではあった。龍一は改めて気を引き締めた。

 それまでは自由時間で、練習をするもよし、カフェでくつろぐもよし。

 それぞれ思い思いの時間を過ごす。

 緊張している者、リラックスしている者。ベテランだけどやっぱり緊張するねと練習にいそしむ者もあれば、龍一と同様に今回が世界大会初参加ながらリラックスしてカフェでくつろぐ者もあれば。

 シムリグにいつつもゲームをプレイせず、スタッフとミーティングをする者たちもあった。

 ソキョン曰く。

「自由時間は自己責任で過ごしてください」

 と、特に何も言わなかったが。龍一とフィチはストレッチで身体をほぐし、シムリグに身を預けてForza Eを起動させ。走り込みを行った。

 ヴァイオレットガールもレインボー・アイリーンも、カール・カイサも走り込みをする。

 みんなそれぞれ自分の時間を過ごしているが。アリーナにはさあ試合開始だという緊張感が張り詰められていた。

 そして、10時半となったとき。龍一はプレイを中断し、シムリグから降りて身体をほぐす。

 フィチもやや遅れてゲームをやめ、シムリグから降りてストレッチで身体をほぐす。

 ソキョンやスタッフたちはその様子を静かに見守る。

 カフェでくつろいでいた選手やスタッフたちも続々集まってきて、すべてのシムリグが埋まる。

 緊張感も一気に高まる。

(予選でこれかよ)

 考えてみれば、龍一にとって公式競技参加は初めてのことなのだから、何もかもが初めて見るもの、感じるものだった。

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