表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Sim Racing Novel Faster Fastest  作者: 赤城康彦
65/99

New changes ―新しい変化―

 合間合間に、時々ポーズをして、スタッフと話し合い、勝つためのヒントを掴み取るインスピレーションを得ようとする。

 みんな真剣だった。

 もう試合は、本戦は始まっているのだ。

 練習だからといって、手を抜けない。

 大会運営スタッフたちも、パンデミックの中にあっての円滑な運営のために一生懸命だった。

 時折休憩を挟みつつ、規定時間まで走り込んで。バスでホテルに戻った。

 ヴァイオレットガールとレインボー・アイリーンたちも、同じホテルに泊まっている。夕食は、龍一とフィチにヴァイオレットガール、レインボー・アイリーンの4人でという話になった。

 もちろんチームから許可を得ている。

 ホテルのレストランで4人は同じテーブルに着く。

 龍一はどうにも引っ込み思案な性格だが、そのはにかみ屋なところにヴァイオレットガールとレインボー・アイリーンは好印象を覚えた。

「コバンワ!」

 最初声をかけたとき、ヴァイオレットガールこと、カースティは気を使って日本語で声をかけたものだった。

 席に着いてからは、レインボー・アイリーンはスマホで伴侶のアレクサンドラと息子のショーンの写真を見せて、家族の話をし。

「ショーンと友達になってあげて」

 などと、レインボー・アイリーンことアイリーン・エヴァンスは笑顔で言い。龍一は快諾すれば、

「Yeah アリガトー!」

 と、大変喜んだものだった。

 龍一はSNSを非公開にしている。ヴァイオレットガールもレインボー・アイリーンもその意思を尊重し、公開を無理強いはせずに、相互フォローの関係となった。

「ここにいるのが、夢みたいだよ」

「それはDragonが頑張ったからだよ!」

「そうよ、あなたはもっと自分を誇っていいわ」

 などなど……。

「海の中は神秘にあふれているわ。その神秘の中にもぐってみたいの!」

「僕はいろんな国に行って見聞を広めたいな」

「私は家族と愛し合って、楽しく暮らしたいな」

 などなど……。

 ゲームに目覚めた経緯や、ゲーマー以外の、カースティの海洋学者の夢、アイリーンの家族自慢、好きな漫画やアニメ、小説、エトセトラエトセトラ……。フィチの通訳を介しながらでも、いろんな話をした。

 レストランの食事も美味しく。4人ともに舌鼓を打った。

 それはまさに夢のようだった。

 明日からライバルとして試合をすることを、このひと時の間は忘れてしまったが。それくらいの羽目外しはいいだろう。

(ここで時間が止まってもいいな)

 ふと、龍一はそんなことを考えた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ