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Sim Racing Novel Faster Fastest  作者: 赤城康彦
64/99

New changes ―新しい変化―

 他のプレイヤーやスタッフとも、全部ではないが親指を立てるなどの挨拶を交わすこともあった。

 シムリグに身を預けっぱなしも身体に負担があり、龍一とフィチはストレッチをして身体をほぐす。

「それにしても、すごいなこのシムリグは」

 すぐにゲームに戻らず、改めてシムリグを眺める。シートのフィット感やハンドルの握り心地、大画面湾曲型ディスプレイの没入感。なにもかもが異世界に飛ばされたような気分になる。

「ほんとうの車より高いよ」

「ほんとに。オレの軽四より高いな」

「父さんも母さんも僕のシムリグの値段を知って驚いていたけど、これを見たら腰を抜かすだろうね」

 フィチもシムリグを眺めて、そんなことを言い合う。

「レースで勝てば、買えるわよ」

 ソキョンが笑顔で言い、優佳が訳す。そう、プロの試合なので賞金が出る。もっとも、チームに所属しているので賞金はチームに渡される。が、それに伴い順位に応じた臨時金や、1位になったら高めの勝利給も出る。その金額だってたいしたものだった。

 両親はeスポーツのことを知り、賞金のことを知ったとき、ゲームの世界も王長嶋やカズラモスのようなプレイヤーがいて、多額の賞金が出るプロの世界が出来上がっているのだと、本当に驚いていたものだった。

 ここに来て、龍一はそれも実感していた。

 正午の休憩はきっちり1時間。目のコンディション維持のためにも、スマホも見ない時間をもうけて、きっちり休むことは必要だった。

 シムリグにはフィチと龍一だけでなく、ソキョンや優佳らスタッフも腰掛けてその感触を確かめていたり、本戦に向けての話ばかりでなく、雑談もしたりして、時間を潰した。

「オレ、トモシビ推しなんだ」

「そうなんだ、僕はクミホーリ推しだよ」

 などと、気になるポップアイドルグループの話に興じる。トモシビもクミホーリもあるファンタジーゲームのゲームキャラであると同時に、そのゲームキャラがポップアイドルとしてヴァーチャルアイドル活動もして、大人気を博していた。

「私はビアーサ推しよ」

「私はジャイヴァ推しですねえ」

「オレはセーラフェイン推しだな」

 スタッフも交えてポップアイドルの推しの話になった。

 そうこうして時間を潰し、ソキョンは腕時計を覗く。

「はいはい、それでは練習を再開しましょうね」

 笑顔でにっこり言い。龍一とフィチも笑顔で頷き、シムリグに身を預けて、Forza Eを起動させ、走り込みを行った。

 しばらくして、ヴァイオレットガールもレインボー・アイリーンも、シムリグに戻り、練習を再開し。それからまたしばらくして、カール・カイサもシムリグに戻って、練習を再開した。

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