表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Sim Racing Novel Faster Fastest  作者: 赤城康彦
59/99

New changes ―新しい変化―

 ただゲームが、レースゲーム=シムレーシングが好きで、夢中になってプレイしていたのが。

 こんなことになるなんて。

 自分の人生に、こんな新しい変化がもたらされるなんて、夢にも思わなかったことだった。

 徐々に人も集まってきて、25台のシムリグはすべてうまった。大会の関係者も勢ぞろいした。アリーナは賑やかになってきた。

 ソキョンと優佳は、戸惑いつつも場に馴染もうとする龍一の努力の様を、笑顔で見守る。

「初々しいわねえ」

 愛しい弟を見守る姉のようにい、ソキョンは笑顔で頷き。優佳も続いて頷く。

 Forza Eは起動され。各々練習走行をこなす。音は外に出さず、各々のヘッドセットでだから、会場に電動マシンの甲高く鋭いモーター音はしなかった。

 それでも、ディスプレイを眺めていると、音、モーター音や風の音、タイヤのスキール音に観客の歓声が聞こえてきそうだった。

(すげえ、すげえ)

 龍一は心で唸りっぱなしだ。

 大画面湾曲型ディスプレイの視界の良さはもちろん、シートの座り心地に、ペダルの踏みやすさ、ハンドルの持ちやすさ、回しやすさ。

 自分のとは全然違う。

 一流メーカーの高価なアイテムをふんだんに使用し、これは、大衆用実車よりも価格が張るどころか。もっと、もっとと際限をなくせばそこそこのスポーツカーの価格も超えるのだ。

 この大会で使用されているシムリグの価格も、おそらく3桁万円となるだろう。

 フィチやヴァイオレットガール、レインボー・アイリーンはプロとして活動して、こういったシムリグを何度か使用してある程度慣れているものだが、いざ身を預けたときの高揚感は慣れることはなかった。

 今日は練習なので、各々思い思いにForza Eをプレイしている。ある者はレースモードで、ある者は単独のタイムトライアルモードで。

「Shit!」

 という声もする。ミスってクラッシュしたりAIにクラッシュさせられたりしたのだ。

 参加者もそれぞれ個性的だ。熊ひげを生やしいかにも男っぽい面持ちの者もあれば、筋トレで鍛え上げた筋肉が服越しでもわかる者、半そでから覗く生身の腕にはバリバリのタトゥーが決められているレッドヘアの女性プレイヤーと、ゲームに疎い人が見れば、ゲーマーだとにわかに信じがたい装いのプレイヤーもいた。

 しかしここにいる面々は、ゲームの世界の広さを知るものばかりなので、プレイヤーの装いに眉をひそめることはなかった。もっとも、龍一のように夢心地の者はいたが。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ