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Sim Racing Novel Faster Fastest  作者: 赤城康彦
58/99

New changes ―新しい変化―

「やあ!」

 フィチはソキョンの許可をとり、ヴァイオレットガールのもとにゆく。龍一も、同じくフィチに促されていっしょにゆく。

「やあ、やっと会えたね」

 フィチとヴァイオレットガールは、直に合うのは初めてだった。そのフィチのうしろで、はにかみながら愛嬌を見せているアジア人男性が龍一だと、ヴァイオレットガールはすぐに気付いた。

 シムリグから立ち上がり、握手代わりの肘タッチ。

「あなたがDragon、リュウイチ・ミズハラね、会えてうれしいわ」

 互いの本名を教え合い。ヴァイオレットガールこと、カースティ・フリントは愛嬌のある笑顔を龍一に見せた。

 異性愛者の男として、女の子に愛嬌を向けられたらやはり照れてしまうものだが。ヴァイオレットガールことカースティは、龍一のはにかむ笑顔に良い印象を覚えた。

 スタッフも愛想よく、その様子を温かく見守っていた。フィチが通訳をしてくれるおかげで、話に困ることはなかった。

 とはいっても、プロとして試合に臨みに来たのだ。いかに親しくても、時間を無駄にすることは許されない。

 話を切り上げ、それぞれのシムリグにゆこうかと思ったとき。丁度レインボー・アイリーンがやってきた。

「Hi!」

「Hi!」

 会えた嬉しさをあらわにし、肘タッチ。

「あとでね!」

 まずプロとして自分の仕事をしないといけない。それぞれが自分に割り当てられたシムリグに身を預けた。

 というとき、1番のシムリグにやってくる面々。

(ぎょっ!)

 龍一は心臓が飛び出るかと思われるほど驚いた。

 カール・カイサとそのチームスタッフだ。ゼッケンは1を割り当てられていた。ということは、龍一の隣だ。

 彼とここで会うことはわかっていたが、いざ実現するとなると、緊張を禁じ得なかった。

 ガキの頃からその活躍を見ていたのである。それとこういう形で会い、しかもライバルとして試合をするなど。どうして夢にも思えようか。

 カールはシムリグを眺め様に、隣の龍一にも目を向ける。愛想のよい笑顔を見せる。

 3番のシムリグに身を預けていたフィチだが、すぐに立ち上がる。龍一も少し遅れて立ち上がり。カール・カイサのもとまでゆき、挨拶をする。

「やあ! 君がDragonで、君がSpiral Kだね。会えてうれしいよ。本戦はいいレースをしよう!」

 選手同士やスタッフ同士、ライバルでもあると同時に同じゲーマー、シムレーサー。ライバル意識とフレンドシップ、スポーツマンシップの心で肘タッチをする。

(本当に夢みたいだ)

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