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Sim Racing Novel Faster Fastest  作者: 赤城康彦
57/99

New changes ―新しい変化―

 レイキャビクのホテルに着いて。

 一旦自分の部屋に荷物を置いてから、ロビーにて話を弾ませた。もとい、打ち合わせ。

 屋内は暖房がよく効き、軽めの服で済ませられるのは助かった。

「残念ですが、観光は出来ません。基本的にホテルとアリーナの行き来だけです。外に買い物も勝手に行かないでください」

 と、コロナ禍ゆえの厳しいお達しがくだされる。

 今日はアイスランドの時間で木曜日。金曜日にアリーナ入りし現場観察および練習、土曜日にスターティンググリッドを決める予選、日曜日に本戦、というスケジュールだ。

「今日は下手にあれこれせずに自室で休んでください。解散!」

 ソキョンのはきはきした声で、各自自室に戻り。言われた通り休んだ。

 疲れがどっと出た。せっかくだから何かしようという気持ちもない。龍一は自分の部屋のベッドで、ひたすら寝た。

 翌朝。昨日休んだおかげか心身ともに落ち着き。朝食を食して、アリーナに向かった。

「……」

 窓から外を見る。きれいな街並みだ。

(いいところだなあ)

 コロナ禍の中での試合だから、のんびり観光できないが。コロナ禍が明けたら改めて観光に行ってみたいと思ったのだった。

 アリーナに着き、中に入れば。

「おお」

 思わず声が出る。

 黒と緑を基調にした色合いの試合会場。シムリグが25台。適切な距離を空けて設置され、間にはアクリル板も置かれていた。

 そのシムリグも、龍一が使っているような一般向け市販シムリグではない。プロの試合用に制作された特別仕様で、プレイヤーを包み込むような湾曲型ディスプレイが設置されていた。

 開催スタッフや、ほかのチームの選手やチームスタッフにプレスなどなど、会場にはすでに会場入りしている人々がいて、それぞれの仕事をこなしている。

 もちろん、みんなマスクをしている。PCR検査も受け、陰性であることが確認された者しか入れない。

 会場内はエアコンも利いて、半袖でもいけそうだが。フィチと龍一は念のために青い長袖シャツを着たうえでユニフォームを着ている。なるべく身体を温めていたいし、その方が気持ちもリラックスするから。

 シムリグのシートの背中には番号が貼られている。それぞれの選手に割り当てられたゼッケンだ。龍一は2でフィチは3。6はレインボー・アイリーンで、7はヴァイオレットガール。

「Hey、Spiral!」

 7番のシムリグから声がした。ヴァイオレットガールだ。すでに会場入りし、チームスタッフとともに自分に割り当てられたシムリグの調整をしているところだった。

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