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Sim Racing Novel Faster Fastest  作者: 赤城康彦
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New changes ―新しい変化―

 コスプレイヤーコンビのふたりは動画投稿サイトにも積極的に動画をアップし。ありがたみや親しみを感じながら、言葉はわからないながらも、楽しく動画も視聴するようになった。

 そのほか、日本のeスポーツ系メディアからのインタビュー依頼もあると優佳を通じて伝えられたが。龍一はあまり表に出たがらない性分で、

「すいませんが、断ってほしいんですが」

 と相談をすれば、優佳はその意思を尊重して、丁重に断ってくれることになった。

 が、無言のままはさすがによくないということで、断る代わりに本戦に向けての意気込みのメッセージを出してほしいと言われて。

「無名の新人である自分を見つけてもらい、チームに入れていただいたことに感謝しています。本戦では力の限り頑張ります」

 とのメッセージを優佳に託して。それがメディアの記事になり。日本国内のeスポーツ界隈でもちょっとした話題になった。

 もちろんウィングタイガーのウェブサイトやSNSにも龍一のメッセージが添えられて。また応援・激励に対しての感謝の気持ちも重ねて添えられた。

 あの嵐の予選を通過してから、大きな変化を実感していた。

 それに対し、必要以上に浮かれてしまわないようにするのも大変だった。かわいらしい女性コスプレイヤーからの応援など、ある意味試練だった。

 そういえば。あるゲーム系企業が、eスポーツプレイヤーには社会性が求められると、厳しく戒める感じでSNSに書き込んでいたのを目にしたことがあるし、また別に、スポンサーオファーに対しても、同様に厳しく戒める感じでの書き込みをしていた。

 甘えるな、社会性を持て。

 ゲーマーである前にひとりの人間であり、成人していれば社会人である。そのことをきちんと自覚しなさいと。それはそれは厳しく戒めていた。

 ともあれ、本戦に向けて準備を着々と進めていた。

 そんな中でのある日。

 タイムトライアルの順位表に変化があった。

 Carl Kayserカール・カイサという、デンマークの国旗のプレイヤーが龍一を抜き、4位となっていた。ということは、龍一は5位に落ちたのだ。

「え、おいおい……」

 なんか聞いたことがある名前だ、などと思うまでもなく、知っている名前だ。まさか、もしかして、と検索してみれば……。

「!!」

 ディスプレイを見て、一瞬固まった。WRCやワールドラリークロスに出場し活躍したデンマーク人の元プロレーサーだった。

 3年前に引退していたが。最近シムレーシングをやりこむようになったようだ。

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