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Sim Racing Novel Faster Fastest  作者: 赤城康彦
51/99

Go over 100%! ―100%を超えろ!―

 第2コーナーを抜け、連続S字区間に入る。そこでもヴァイオレットガールはアウト側だったが、並んだまま最初の右コーナーに突入する。

 AIカーは妨害しないが、ミスでスピンしてしまわないか、見ていてハラハラドキドキさせられる。

 しかしヴァイオレットガールの眼差しは真剣だが、深刻さは感じられなかった。当然のように滑るマシンを操作していた。

 そして、次の左コーナー。ついにヴァイオレットガールのマシンがイン側になり。そのまま抜き出て、咄嗟にイン側に着いた。AIカーはなすすべもなく、抜くチャンスを潰されてしまった。

 このバトルにチャットはやんやの大盛り上がりだ。

「とんでもねえコだ」

 龍一はすっかり呆気に取られてしまった。同時に彼女の予選通過を確信した。それはフィチたちも同じだった。

 結局ヴァイオレットガールが前で、AIカーを引き連れてメインストレートに入った。

 もう一方のレインボー・アイリーン。

 一旦抜かれて、抜き返す機会を虎視眈々とうかがいつつ、プッシュする。

 落雷。激しい雷鳴の轟きと、雷光の明滅。

 メインストレート。ディオゲネスの街の議事堂に雷は落ちたようだった。神の怒りがディオゲネスに吹き荒れる。

 水しぶきも激しく跳ね上げられる。高速右第1コーナー。AIカー高速度を保ち突っ込み、レインボー・アイリーンも続く。

「いくか」

 龍一はぽそっとつぶやき、缶コーヒーをすすり。フィチは丁度ビスケットを口に放り込んでいたところなので、口には出さず頭の中でささやく。

 第1コーナーから第2コーナーの間の短い直線区間で、ついにアイリーンはAIカーのインに飛び込んだ。AIカーは同時に寄せてくる。

 接触する。しかし体勢は保っている。

 タイヤとタイヤの接触だった。AIが接触してくることも想定し、タイヤが並ぶように速度を調整したのだった。

(オレと同じことしてら)

 プレーヤーの数も多い。龍一以外にそのやり方でクラッシュを避ける人がいてもおかしくはない。1

 第2コーナーが迫り、そのまま抜く。

 しかし次の連続S字区間の入り口で減速したとき、インに飛び込まれる。インは少し空けられていた。もし閉じていたら、コーナー入り口の減速で追突されていただろう。

「OK。come on」

 すべて想定内とばかりにレインボー・アイリーンは余裕を見せる。

 AIカーはやや抜け出すものの、レインボー・アイリーンも引き離されず、並んだままで次の左コーナーに入る。そこでインとアウトが逆転し、レインボー・アイリーンが抜け出す。

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