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Sim Racing Novel Faster Fastest  作者: 赤城康彦
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Battle against myself ―自分との戦い―

 が、記録は更新されるもの。

 現在の1位ワールドレコードは、ヴァイオレットガール(Violet Girl)。もちろんハンドルネームだ。表示される国旗はユニオンジャック、イギリス人プレイヤーだ。

 このヴァイオレットガールが1位を記録してから、もうすぐ一週間になる。世界中に3000万を越すプレイヤーがおり、そのうちタイムトライアルにランクインしているのは10数万もいながら、誰もその記録を抜けないでいた。

 ちなみに2位はレインボー・アイリーン(Rainbow Eileen)。表示される国旗は星条旗なのでアメリカ人プレイヤーだ。

 という風に、タイム記録にはタイムとともに名前と国旗も表示される。ちなみに、世界情勢や個人の意思を反映・尊重して、特定の国にとどまらず、他の地域及びWorldとして世界地図や地球のマークを国旗代わりに使用も出来る。

 龍一とフィチは、ヴァイオレットガールとレインボー・アイリーンを目標に。フィチは今3位で龍一は今4位で、記録更新を目指して頑張っている。

 そのゴーストこそが、かつて1位ワールドレコードを記録した自分自身のゴーストだった。

「集中したいからチャット切るよ」

「集中したいからチャット切るぞ」

 同時に言って、チャットを切って。ディスプレイを見据える。

 画面の隅に表示される自分の名前=ハンドルネーム。フィチはスパイラル・K(Spiral K)。特に意味はなく、語呂のよさからなんとなくつけたハンドルネームだ。

 龍一はDragon。そのまんまだ。

 タイム記録画面では、そのハンドルネームが表示される。

 大きく息を吸い込み、吐き出す。といったことも意識の外になるほど集中し。ハンドルを、ペダルを操作し。ディスプレイのマシンを走らせる。

 ゴーストはちらつく。

 ゴーストなので、ぶつかることはない。実体のない存在なので、追いついてもラインを変更する必要はなく。そのまま透り抜けるのだ。

 が、これがなかなかしぶとく。なかなか見えなくなってくれない。

 どこかで存在をちらつかせ。特にメインストレートのスタート/ゴールラインのところで、これみよがしにマシンの先端を見せつけるのである。

 そのいやらしさ。本当に自分なのかと思いたくなるほどだ。

 もう何週もしたが、タイムを全然更新出来ない。部屋の隅に置いた時計の針もちくたく進む。

「うおおッ!」

 龍一は思わず呻く。万国旗立ち並ぶ議事堂前のストレートを抜け、教会脇の高速第1コーナーを抜け、連続S字区間に入ろうとしたが。攻め込みすぎてアンダーステア(曲がらない)を誘発してしまった。

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