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Sim Racing Novel Faster Fastest  作者: 赤城康彦
42/99

Go over 100%! ―100%を超えろ!―

 このままフィニッシュ目指して走るのみ。しかし油断しない。AIカーのミスに安堵するあまり自分がミスしては元も子もない。

 龍一の方では、ミスをしてくれる気配はない。最終コーナーを抜け、残りは5週を切る。

(やっぱり難しいもんだな!)

 張り付きゃどうにかなるだろうと思っていたが、やっぱりそんなに甘くはなかった。

 ディスプレイが激しく明滅する。落雷だ。激しい雷鳴も轟き、雨音もモーター音も掻き消される。

(どうしますか龍一さん?)

 優佳は見ながらハラハラドキドキが強まる。龍一は膠着状態で動きがなさそうな感じで、このまま終わるのかと心配する。

(腹を決めて、仕掛けるか!)

 高速の右の第1コーナーでは張り付き。次の第2コーナーに備えインをうかがう。しかししっかりラインを閉められる。

(あ、そうだ!)

 咄嗟に龍一はアウトに膨らんだ。だから、第2コーナーでは膨らむようなラインでクリアすることになる。次は連続S字区間。まず右。AIカーはインを閉めながら減速する。龍一はアウト側に並んで。

 並んだ状態で緩やかな右コーナーをクリアする。しかしインが強く、AIカーを抜けないまま、次の左に入る。

 AIカーはそこでもインを閉め、龍一はアウト側に並ぼうとする。

「!!」

 動きを察知したAIは素早く接触してこようとし、迫ってきて。龍一はとっさに減速してこれをかわした。

 結局順位は変わらないままに連続S字区間をクリア。次の右直角では無理に仕掛けず。

(フェイクも簡単には出来ないな)

 しかし仕掛け続ける。

 ノートパソコンを見据えるソキョンたちチームのスタッフも強い緊張感を覚える。

(プロとしての第一歩で、よく頑張っている方ね)

 予選に通らなくても内容次第では更新でいいと思ったが。龍一が予選を通る条件のままにしてくれと言い、その意気に感じてその通りにした。

 しかし、万一のことを思えば、やはり惜しい気持ちは禁じ得ない。

 最終コーナー、龍一はインをうかがう。しかしやはりAIカーはインを閉める。龍一も無理に迫らない。

 最終コーナーを抜け、メインストレートに入る。雨音交じりにモーター音が高鳴る。

 高速右第1が迫る。AIカーはインを空ける。

(誘っているのか? ようし、誘われてやろうじゃないか!)

 思い切ってインに飛び込む。案の定、並んだ途端にAIカーが迫ってくる。しかし龍一はひるまない。

 接触した。ソキョンや優佳たちは息をのんだ。そこから吹っ飛ぶイメージが刹那的に沸いた。

 しかし、接触したのはタイヤ同士だった。

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