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Sim Racing Novel Faster Fastest  作者: 赤城康彦
4/99

Battle against myself ―自分との戦い―

 いたずらっぽくフィチが微笑むのが、ヘッドセットから想像できた。

 そんなやりとりをボイスチャットでする。ゲームをする少し前にチャットをつないで世間話をして、ともにシムリグに身を預けて、そろって自分のゴーストを追っているのだ。

 フィチは韓国にあり、二階建ての家で両親と同居し、二階の自分の部屋の真ん中にシムリグを設置している。広くない部屋だが、ディスプレイの向こうの窓の、薄いカーテン越しに陽光が注ぎ。プレイのし心地がいい。

 ちなみに今は昼の晴天の設定にしてるが、時間や天候も好きに変えられ、夜の雨にも出来るが。それでも昼の晴天を選ぶのが人情というものだった。朝の一発目となればなおさら。

 青いポロシャツにホワイトジーンズという、結構お洒落な格好に、手にはやはり青いレーシンググローブに、白いレーシングシューズと、こちらもここは本格装備だ。

 フィチも自分の操作する青いフォーミュラーカーの目の前の走る自分のゴーストを追い掛けていた。

 ディオゲネスのコースレイアウトはそんなに難しくない。「凹」の字に似たレイアウトで直線もさほど長くなく、最高速は220キロ。

 第1コーナーは直角でなく高速コーナー設定。第2コーナーは直角。そこから短いストレートを経て、連続S字区間。最後のふたつのコーナーは直角。といった具合。

 ゲーム、もとい、シムレーシングなのをいいことに。まずコースレイアウトを決め、それに合わせた街を作ったという感じだ。ケッサクなのはやはりディオゲネスという街及びコース名だろう。

 学生時代に歴史や哲学の授業をさぼったヤツは、その面白味がわからずに、さっぱりのちんぷんかんぷんだった。

 ともあれ、シンプルなレイアウトで初心者向きの簡単なコース。それに、Forza Eのレーシングマシンも、実際のものはともかくこのゲームでは扱いやすいから、ガンガン攻めていける。

 だからこそ突き詰めようとするほど難しくなるのだった。調子に乗ってイケイケドンドンになってしまい、ふとした油断からミス、クラッシュ。設定によっては一発廃車のリタイヤとなる。

 何事もそうだが、最後は自分との戦いである。

 フィチは眼鏡をかけた童顔の男子だが。年はたまたま龍一と同じ二十三歳。気の強そうな面持ちの龍一の方が年上に見えた。

 ゲームはもちろんインターネットでつながって、世界中のプレイヤーのタイム記録も見ることが出来る。

 龍一とフィチは上位に入るトップレーサーでもあり、ともに1位のワールドレコードを記録したこともある。

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