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Sim Racing Novel Faster Fastest  作者: 赤城康彦
30/99

Go over 100%! ―100%を超えろ!―

 優佳が答え。龍一は、そうなんですねと返す。

 一見体力はいらなさそうなゲームの試合だが、やはりスタミナやフィジカルを必要とされ。そのためにトレーニングに励むプロゲーマーは多い。龍一も少しは見習い、軽くランニングをしていたが。コロナ禍で外出もままならないことになったので、スクワットなどの室内トレーニングをしてはいたが。それはあくまでもアマチュアの体力維持程度のものだ。

「フィチのトレーニングはやっぱり本格的な筋力トレーニングなんですか」

「はい、そうです。プロのシムレーシングともなれば、リアルレースからの転向や兼任もいますし。フィジカルは本当に重要になってきます」

 リアルレーシングのプロがシムレーシングで練習というのもあるが、兼任したり転向したりもある。今度の大会にも世界選手権レベルの試合に出てた転向プロの出場も伝えられている。ヴァイオレットガール打倒に燃えているとも聞く。

「そういえば、お車は持ってますか?」

「ええ、まあ、中古の軽四ですが……」

「なるほど、実際の車の運転もされると」

「でもどノーマルのオートマで、あんまり運転してないですし」

「もっぱらゲームの方が好きだと?」

「はい、そうですね……」

「なるほどなるほど。教えてくださり、ありがとうございます」

 優佳はメモを取っていたことに気付いた。少しでも何かを吸収しようと、また龍一のことをよく知ろうとつとめているのだ。照れくさくもあるが、ありがたかった。

 車もまあ好きだが、それ以上にゲームが好きだった。

 フィチといえば、AIカーを抜いた後、必死に逃げるが、そうは問屋が卸さぬとAIカーも食らいつく。

 コックピットのドライバー視点だが、バックミラーにAIカーが写り、後ろにピッタリくっつかれたときに出る矢印デルタマークがディスプレイの下側に出ていた。

「勝てるか?」

 龍一は素早く冷蔵庫から缶コーヒーを取りに行き、プルタブを開けコーヒーを口に含ませながらノートPCを見据える。

 空は曇り雷光閃き、雷鳴も轟き。鋭いモーター音もかき消されそうな嵐の中のレース。

 もちろん視界も悪いし、滑りやすくなってコントロールも難しいが。フィチは難なくこなしているように見える。

 とはいえ、さっきはクラッシュしてリタイアをしてしまったから。内心は相当負担がかかっているのかもしれない。

 K-POPアイドルのようなソキョンに対し、髪も染めず眼鏡をかけた普通の男の子然としたフィチはとても対照的だった。

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