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Sim Racing Novel Faster Fastest  作者: 赤城康彦
22/99

Go over 100%! ―100%を超えろ!―

 朝食を終えた龍一はプリントアウトした大会概要を読んだ。

 そんなに複雑な形式ではないが、プロとして正式競技に挑むのである。気を引き締めるための戒めとして、毎日これを読んでいた。

 予選はAIカーとの1対1の勝負。

 100%ベリーハードの難易度MAXで、である。

「えげつねえなあ」

 ついつい口を突いて出る。

 予選は来週の日曜日に行われるが。一発勝負である。

 そう、一発勝負!

 100%ベリーハードの難易度MAXのAIを相手に一発勝負を挑み、これに勝たねばならないのだ。さらにえげつなさが重なるのは。天候は大雨の設定である。

 シムレーシングでも雨ともなれば操作性が難しくなる。視界は悪いし滑りやすくなるしで。大雨ともなれば、なおさらだ。そんな状況で100%ベリーハードのAIと一発勝負である。

 最初見た時は思わず、

「ふざけんな!」

 と、こぼしてしまった。

 十中八九は落ちる。落とされる。だがそれもそうだ。世界のトップランカーが対象のプロの試合なのだから。

 期間中は大会の特設サイトが出来て、そこに参加者としてアカウントを作って、ログインして、挑むのである。

 ありがたいことに手続きは全てチームがしてくれて。龍一は教えてもらったログインIDとパスワードでログインするだけである。

 このサイトでレースが出来るのは、来週の日曜日の、1回だけだ。

 公式競技として厳正な予選を執り行うための特設サイトなのだから。一度レースを始めたら、どんなことがあろうと、リタイアは出来てもリセットやり直しは出来ない。厳しい厳しい一発勝負。

 10時になった。サイドテーブルのノートPCでビデオチャットを開始すれば、フィチはいつもの自分の部屋ではない。どこか別の場所。

 フィチらのいる場所は、どこかのビルの一室っぽく。シムリグだけでなく、ディスプレイの置かれたゲーミングデスクにゲーミングチェアが並んでいる。ゲーミングカフェのようだが。

 フィチがいて、他に3人、計4人が立っている。男性三人の女性一人。ソーシャルディスタンスをとって画面に映っている。

 プロeスポーツチームのスタッフらしく、きりりと引き締まり、凛とした雰囲気を醸し出していた。

 4人ともヘッドセットをし、チームシャツを着ている。

 白地で、青い翼のある赤い虎が後ろ足で立っている勇ましいデザインのチームエンブレムが心臓部にプリントされ、メインスポンサーであるAVP Gamingの文字が胸部にプリントされている。シンプルだがさりげないクールさも感じさせるシャツだった。

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