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Sim Racing Novel Faster Fastest  作者: 赤城康彦
21/99

Go over 100%! ―100%を超えろ!―

「親父やお袋に、変な期待もされちゃって。プレッシャーだなあ」

 家は自営業で、龍一は専従者として働いている。ひとり暮らしとはいえ、アパートは実家の近く。

 で、オファーを親に話してみれば。

「なんだって、韓国のゲームチームに入る!?」

 と、たいそう驚かれたものだった。

「ゲームもプロ野球みたいなプロチームが出来て、プロの試合もあるのか」

 親父も母親も呆気に取られていたものだった。

 特に、お金も出る、というところではさらにぽかーんとしていたのはおかしさを禁じ得なかった。

「ともあれ、大会の間は仕事を休ませてほしいけど、いいかな?」

「まあいいだろう」

「試合、頑張るのよ」

 と、理解を示してくれた。

 息子がレースゲーム、もといシムレーシングに夢中なのは知っていたが。個人の趣味でやっていると思っていただけに。知らないうちにそんな話になっていたなと、どうして想像できるだろうか。

 あれから龍一は、チームオファーの詳細が書かれたメールが送られてきて、じっくり読みこんだ。丁寧な日本語で、まずそこに読みながら恐縮してしまった。

 で、メールをプリントアウトして両親に見せた。特に契約金に関するところを凝視していた。

 なかなかしっかりしているところで、まず日本円でこれだけ出しますよ、というのをしっかり書いていた。

 金銭のやりとりにあいまいさは禁物である。

 まずは一試合だけの短期契約。予選をオーディションとし、これに通過すれば本加入となる。

 それからの更新があるかどうかは本戦の成績と本人の意志次第というのも、しっかり書かれていた。

 プロチームである。その厳しさは容赦はない。

 もっとも中には名ばかりのプロさながらな、いい加減なチームもあったりするが。幸いにもウィングタイガーはいいチームだった。それはフィチの様子から見てもわかる。

 ともあれ、この機会を生かせば、普通に働くより多額の給料が得られるかもしれないのだ。両親もおこぼれにあずかれるかもという下心をともないつつ、理解を示し、大会期間中は休ませてくれることになった。

 そう、大会!

 シムレーシング、Forza E のレースイベントが秋から冬に移り変わる間に開催されるのである。

 予選と決勝があり。予選はリモート。決勝は開催地で、関係者と選手だけの無観客試合の形をとって執り行われ、それは動画配信サイトでライブ配信される。

 もう成人済みだから両親の許可は必要なかったが、一緒に働いている以上はなんでも自分で決めることは出来ないので。話をして、OKとなってまずは一安心。

 龍一はチームに加入する旨を返信し。それからウェブで必要な手続きをして、短期ながらチームのメンバーとなったのだった。

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