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銀河英雄伝説論

「銀河英雄伝説」論 2 ヤンと孔明について、アルスラーン戦記完結の際の感想

作者: 恵美乃海

アルスラーン戦記が完結した際に、Facebookに書いた文章。

及び、やはり Facebookに書いた

ヤン・ウェンリーと、三国志の孔明についての文章です。


1. アルスラーン戦記が完結し、最終巻を読んだ際、Facebookに書いた文章です。


2017-157 銀河英雄伝説がまだ完結していなかった1986年に第1巻が刊行された「アルスラーン戦記」が31年の時を経て完結しました。


 やはり、銀河英雄伝説がまだ完結していない時期に始まった「創竜伝」とともに最初の数巻は、キャラクターの造形の秀逸さ、登場人物のセリフのセンスに、「さすが田中芳樹」と、思わせられました。


 現時点でも未刊の創竜伝と、アルスラーン戦記だけは、銀河英雄伝説と同様に、田中芳樹が天才であった30歳代の内に完結させてほしかった、と思います。


2. 北方謙三の「三国志」(十二)を読んだ際、Facebookに書いた文章です。

ヤン・ウェンリーと、孔明について書いています。


ご注意 小説、銀河英雄伝説の内容に言及しています。未読で今後読むご予定のある方は、以下の文章は、読まないでください。


2018-76 三国志(十二) 

 田中芳樹の銀河英雄伝説の登場人物で、主役のひとり、ヤン・ウェンリーのモデルは孔明である、とよく言われていたようだ(毛利元就と言われることもあるようだ)。


 銀河英雄伝説の舞台設定自体、銀河帝国、自由惑星同盟、そしてフェザーン自治領の三つの勢力が鼎立する世界である。


 孔明とヤン。ともに緻密な計算のもと、常人には想像できないような、戦術を考案する軍事的天才である。だが、その劇的な勝利に比して、歴史的業績と言えるような成果は乏しい。...


 戦術的天才ではあっても、政治的成果をも加味した戦略の面では、世界史的偉人ではない、そんな評価になるのではないか。


 また、軍事的側面では柔軟かつ飛躍的な発想で勝利するが、政治的思想の面では、孔明は、漢の再興という理念にとらわれた人物。

そしてヤンは民主主義の価値と制度的理念にとらわれ、自らが望ましいと考える社会を構築するための最大の好機を逃した硬直した思考の教条主義者であったと言えよう(物語のキャラクターとしては、それゆえ、より魅力的な人物となっている訳だが)。


 そう考えれば、確かに似ている。


 が、孔明が真面目で勤厳な性格であるのに対し、ヤンは、最上質のユーモア精神の持ち主であり、その部分ではかなり違っている。


 この点では作者の田中芳樹が、ヤンについては、もっと真面目な人物として描くはずだったのに、なぜかあんな人物になってしまった、と書いている。


 銀河英雄伝説は、キャラクターの造形。かっこよさと上質なユーモアに満ちたセリフ。歴史や政治思想に対する、簡明かつ深遠な警句。


 まだ三十歳代前半で、田中芳樹が、天才的作家であった時の、氏の才能が全編に溢れている作品である。

 

 以前にも別のところで書いているが、氏が天才であったのは、この作品以外には、創竜伝と、アルスラーン戦記の初期の数巻。それのみであったと思う。






拙作

ホアキン年代記シリーズ1

「神々の物語」です。


https://ncode.syosetu.com/n5960ey/



拙作

ホアキン年代記シリーズ2

「英雄たちの物語」です。


https://ncode.syosetu.com/n8423ey/


上記の拙作をPRするなら、銀河英雄伝説の愛読者の方々が、いいかな

と考えました。

2020年8月18日記

と、思ったのですが、貼り付けても、クリックできないみたいですね。

投稿済で、シリーズ管理もしていますので、タイトルで検索して、お読みいただけたら嬉しいです。

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― 新着の感想 ―
[一言] ヤンの民主主義への拘りは有りますが教条主義の宗教家としての信仰に近い様に感じます。ハイネセンに対する国家への愛着も同盟の教育と長年の戦争で培った帝国への敵愾心も薄く冷めた目で見て評論できる第…
[良い点] ヤン・ウェンリーと孔明は中華圏でも創作で人気が高いキャラですね。特にヤンは常勝の皇帝を破った不敗の魔術師、親しみやすいそのキャラ設定もあいまって、金髪の皇帝と違った人気を誇った記憶がありま…
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