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彼らの世界  作者: 乙星 春夜
2/2

日常の終わり。

遅くなり、すみませんでした。

それから数日後、ユウの家族は一晩で姿を消した。家の中には、争ったような形跡は残っていなかったという。


――――――――――――――――――


光の欠片もない部屋の片隅に、少年が一人布に包まり、座っていた。


「メル、そろそろ出て来たら?

ちび達が心配してるよ。」


「うるせぇよ。ユウがいなくなったのに、よくそんな平然としていられるな……。」


「だから、ユウって誰?

ふざけたこと言ってないで、早く出てきなさ

い!」


そう、みなユウのことを忘れてしまっているのだ。


「なんで……みんな覚えてねぇんだよ……。」


静かな部屋にその悲しそうな声は誰にも聞かれずに、消えていった。






短いです。

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