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日常の終わり。
遅くなり、すみませんでした。
それから数日後、ユウの家族は一晩で姿を消した。家の中には、争ったような形跡は残っていなかったという。
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光の欠片もない部屋の片隅に、少年が一人布に包まり、座っていた。
「メル、そろそろ出て来たら?
ちび達が心配してるよ。」
「うるせぇよ。ユウがいなくなったのに、よくそんな平然としていられるな……。」
「だから、ユウって誰?
ふざけたこと言ってないで、早く出てきなさ
い!」
そう、みなユウのことを忘れてしまっているのだ。
「なんで……みんな覚えてねぇんだよ……。」
静かな部屋にその悲しそうな声は誰にも聞かれずに、消えていった。
短いです。




