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92 敵殲滅作戦開始!

いよいよ本当の戦いが始まる!これが主人公達最期の戦いとなる!?



 ゆうこさんから、川上さんの情報を基にした作戦内容が開示された。先ず、外国の至るところに現れている敵は、組織が開発した『転移装置』から送られている為、その装置を破壊する事。


 次に、その装置が設置されている場所だが、合計で七つあり、それぞれを守っている変異体がいるので、そいつの討伐。これは手分けして全員で取り掛かる。


 そして次が、松林夫人と娘の討伐。改良型の『傀儡芽』を取り込んで、手強い相手となっている為、能力者のみで討伐に行く事になっている。


 そして最後が、この事態の全ての元凶である、『松林 智』の討伐。変異体であるらしいが、ボク達に近い方法でチカラを手に入れているらしい。


 最後に、人員の振り分けはこうなっていた。


 ボクと洋子さん。 善さんとユキさん。 ゆうこさんと和枝さん。これが攻撃組。


 寺ッチ達は、善さんと母が作ったコントロールルームで、情報処理と連絡を任される事になっている。


 カズちゃんは後で善さんがこちらに連れてきて、母とお留守番になる。


 これで会議は終了となり、ボク達はそれぞれの準備に取り掛かる事にした。特にボクと洋子さんは、支度する事も無いので、この国の北側の装置から破壊する事に決めた。因みに、ボク達は三箇所破壊する予定だ。なので、早速洋子さんと手を繋ぎ、北の大地へと転移した。



 〜 北の大地 〜


「うう〜…、さぶいね〜ぅぅぅぅぅぅぅ…。さっさと片付けようね!」


 洋子さんの言う様に、少し北をナメてかかった事を後悔していた。防寒着を着てくるべきだったと。


 とにかく来たのだから、やるべき事をやらねば。ゆうこさんから預かった地図を取り出し位置を確認した。ちょうど今いる場所から北に一キロの場所に施設がある様だ。


 寒さを堪えながらもなんとか目的地に着いた。見張りは誰もいない様子。この寒さの中外にいる人間は、ボク達だけの様だ。冷たい風を遮る目的もあり、ボク達は施設の中へと急いだ。


 中に入ると、かなり温かくなった。暖房が効いているみたいで、しばらくすると、動きやすくなる程身体が温まった。元気を取り戻したボク達は、施設の奥を目指して進んだ。


 今までの組織の内部と比べると、この施設は明るい方だ。広い通路の天井には、大き目の球状になった室内灯が、規則的に並んで備わっていた。


 そして、ゆうこさんから聞いた通り、転送装置だと思われる円筒状の機械の前に、緑色の髪に赤い瞳の男が立っていた。上半身剥き出しの身体は、筋肉の鎧を纏った様にも見える。


「うむ!待っていたぞ。松林閣下からの直々の命により、我輩が貴様らを倒してしんぜよう。」


 マッチョ変異体がそう言いながら、上向きに返した掌を二度程折り、かかって来いと取れるジェスチャーを送っている。


「じゃ、先ずは私から手合わせ願おうかしら?」


 洋子さんが一歩前に出て挑発に乗る。その両拳は胸の高さで構えて、相手を見据えている様子だ。しばらく睨み合いが続いたが、緊迫した空気を割って、先に出て来たのはマッチョ変異体だ。


 さすがに速くはあるが、今のボクの動体視力はハッキリと相手を捉えている。洋子さんも少し遅れ気味ではあったが、その動きに反応して、急発進で前に出た。


 両者共に右拳を突き出しながらの激突だ。お互い左に躱していたが、突き出した右腕が絡み、その場で風圧がぶつかり渦を巻いた。マッチョとスリムのアームレスリングは、互角の競り合いとなっていた。


 お互い引かない為に、中々勝負がつかない様子だ。全く動かないので、つまらなくなったボクは、どれだけ速く自分が動けるのか試してみた。


 右足を蹴り足として、思い切り床を蹴って前方に飛び出す。風切り音が爆発音に聞こえる程のスタートダッシュとなった。そして、腕を絡めたまま睨み合う二人が気付く前に、速度落とさずその間に割って入る。


 マッチョ変異体の絡まった右腕の手首を掴み、洋子さんから引き剥がすと、それに驚く表情を見ながら左後方から右踵を回し入れた。鈍い音を何度か響かせ、マッチョ変異体が一瞬で壁の飾りとなっていた。


 洋子さんが突然の出来事に、口をパクパクさせている。それを横目にボクが腰に手を当て、おちゃらけて見せる。


「う〜ん、ちょい右が上がりすぎかな?はい下げて〜。」


 洋子さんが呆れ顔をしていたが、ハッとした表情を見せて、円筒状の機械を蹴り一撃で大破させてしまった。これで一台終了!と親指を立てて見せる洋子さん。


 そしてマッチョ変異体だが、死んではいない。善さんが一時的に創った空間に、縛って閉じ込めておく手筈になっている。こちらは出入り自由になっている。


 早速ボク達は、マッチョ変異体を縛り上げ、その空間へと転移した。そこは地下の牢獄という感じの、太い鉄格子が付いた檻がたくさん並んでいた。その内の一つにマッチョ変異体を放り込み、ボク達は次なる場所に転移した。


 お次の場所も寒さは変わらずと言ったところだ。先程の地より、百キロ程南下した場所だ。ここに着くなり、洋子さんが何やら考えている様子で、ずっと下を向いてボクの後をついて来ていた。


「洋子さん?何か心配事でもあるの?」


「あ、うん。さっきの敵なんだけど、あんなのが他の転移装置も守っているとしたら、私やゆうこ達では倒せないんじゃないかって思ってね。ちょっとゆうこが心配…。」


「あぁ、それはボクも思っていたけど、ゆうこさんには和枝さんが一緒だから大丈夫だよ。奈々子を瞬殺する程の強さだからね。あと、ユキさんも善さんがいるし…、ま、お年寄りをこき使って申し訳ないけどね。」


 洋子さんの心配もごもっともだ。だからこの組み合わせなのだ。転移装置に強敵がいるのは安易に想像できる。おそらくそれは、改良型変異体だと踏んでいた。それが功を奏した訳だ。


「そっか、稜くんや善さん、ミド…、和枝さんも『虚無』で()()になったもんね!」


「あの…、洋子さん?()()()だからね…。そこ重要ね。」


 何度教えても間違える洋子さん。わざとじゃなかろうか?と、つい思ってしまう。


「えへへ、そっかそっか!ごめ〜ん。私もなれないのかな?」


「変異体にって事?…、残念だけど、『還りの鈴』は、一度使った人には二度目の効果は無いって善さんが言ってたからね。だからそれはしてほしくないよ。」


 洋子さんの性格からして、強くなりたいのだろうけど、もしかしたら死ぬかもしれない事を、無理して実行してほしくない。いなくなられると、ボクは生きていけない。


 少し拗ねて見せた洋子さんだったが、ボクが手を繋ぐと、いつもの笑顔を見せてくれた。


 そんな事を話しているうちに、次の目標場所にたどり着いた。本当に合っているのだろうか。どう見ても、そこは公衆トイレにしか見えないのだが。こういう場合、入り口は別々に入った方がいいのか?と、またくだらない事を考えてしまう。


 地図ではここになっているので、くだらない事は気にせずに入る事にした。


「はい、稜くんはそっちね、こっちは女の子用だからね〜。」


 お前もかっ!!くだらないのがここにもいたのだ。


 洋子さんの言葉は全く気にせず、その手を引いて男性用に入っていく。一番奥の個室が閉じられたままで、明らかに怪しいプレートがかけられていた。

 【組織専用】 まんまじゃないかっ!


「稜くん…、ここって…、うふふ、ね、ここに連れ込んで何してくれるの?」


 がーっ!!どいつもこいつも黙れーっ!!


 最近『治癒』が効いていない気がする。頭痛が治らない…。


 もう言い返す気にもなれずに、遠慮なく【組織専用】ドアを開けて中に入った。するとそこは、壁を挟んだ女子トイレの個室の様だ。しかもあからさまに円筒状の機械が、所狭しと設置されていた。そして正面には【男性用入り口】のプレートが。


 もう聞かないでも、言われないでも、わざわざあちらに見にいかないでも分かる。女子トイレに回ると絶対【女性用入り口】のプレートがあるはずだ。絶対確認になんか行かないと決心し、渾身の力を込めて、一撃で破壊。そして早々に立ち去ることにした。


「あら、待ちなさいっ!私を倒さないとこの施設は潰せないわよん。」


「あ、いや、もう壊したんだけど…、ごめん…。」


 なぜボクが謝らないといけないのか疑問なのだが、そう言って呼び止めたのは、声で既に気付いていたので、驚く事もない、ただのオカマ変異体だ。壊したと聞いて凄い大口を開けて立ち尽くしている。


 面倒くさいので、驚いて動けないうちに縛り上げて、牢獄空間へと放り込んだ。縛っている最中に、『いやん。』と言っていたのはご想像通りだ。


 これにて二台目破壊終了!チーン…。


カッコよく戦闘を繰り広げていた主人公達だが、二箇所目でどうでもいい気分にさせられる。しかし、本作戦の目的達成へと、また一歩前進した!因みに入り口が二つ…アレはオカマ変異体が気分で男女入れ替わる時の為に用意されたものだった!

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