表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
37/102

35 大暴走の訳

突然現れた善が語る暴走の理由!?主人公はどう受け止めるのか!


 原因がボクにあるとして語る『善』さん。ボクが何をしたのか悩んでいると、思考を読んだと思われる『善』さんが答えた。


「ふふふ。原因の一つ…かもしれないでしょう。しかし、予兆はありました。アタシが与えたチカラは、本来、『悪』が人々に与えているものです。同じチカラなら、『悪』が与えても、アタシが与えても、後で起こる影響は、良くも悪くも、何ら変わりないのです。大切なのは使う時の心構えですよ。」


 影響? 確か、『悪』に授かったチカラの影響が、その人を()()()()()()にさせる。と母が言っていたアレの事か。


「そう、この子は、貴方を危険に晒した組織、何より父親を憎んでいました。その気持ちのままチカラを使い戦えば、こうなってしまうのです。しかし、この子には、貴方がいました。護るという心が、それを抑えていたのです。」


 そうだったのか。理解は出来たが、洋子さんはこれからどうしたらいいんだ?また戦う度、憎しみが出ないとも限らない。


 考え込むボクに『善』さんが問いかけてきた。


「貴方が覚悟を決める必要があります。この子の心がいつも叫んでいたのをアタシは知っているのですよ。」


 覚悟とはなんだろうか。洋子さんを命がけで守る覚悟は出来ている。


「そうではありませんよ。この子がああなったキッカケは何でしたか?」


 ええ?あぁ、川上さんとボクの様子が気に入らなかった…から?


「ええ、そうですね。何故気に入らなかったのかしら?」


 何故? その問いに思考を巡らせる。そういえば、川上さんに申し出を受けた時、洋子さんに『あの子を好きにならないで』と約束させられた。好きになったと思われていたのかな?違うのだが。


「多分、ボクが川上さんを好きになったと思ったから?だと思います。」


 思考ではなく、今度はちゃんと自分の口で答えた。


「好きになったと思い、何故怒るのでしょう?」


 ぐわぁ、何だか尋問されてる?えっと……。不安に…なる?


「そうですね、貴方が不安を与えているのですよ?でもね、二人の間に確かなものがあれば、その不安は感じなかったり、和らいだりするものです。今回の事は、先の戦いが、既にこの子を蝕んでいたのでしょう。先程のこの子は、ヤキモチから、あの女性に憎しみに似た心を抱いてしまいました。そこで…ですが、この子の気持ちは知っていますね?それに貴方は応える必要があるのですが、その覚悟がありますか?」


 あ……そうか。ボクはまだ、洋子さんの気持ちに応えてないや。それが不安にさせているのか?そしてその不安が、組織や父親に対して生まれた『憎しみ』という気持ちに拍車をかけた。という訳かぁ。最近怒りっぽかったのは、そのせいだったのかなぁ?


 確かに口にして、気持ちを伝えた事が無かった。救出した時の洋子さんに聞かれた時は、突然過ぎて、言葉が出てこなかったのを覚えている。

洋子さんも口に出してた事は無いはずだが、こういうのは男が先に言わないとダメな時がある。洋子さんは、ボクの言葉を待っているのかも知れない。


「確かに、まだ伝えていません。だけど、今はまだ戦っている最中だから、落ち着いてからと……。」


 正直なところ、戦いが終わらないと、落ち着いて話せない。それどころでは無いと思う。


「貴方の意見も最もだと思いますよ。そうではなく、安心させてあげなさい。約束でいいのです。無理強いはしませんが、そうしないと、先程の様な些細な事で、いつまたこうなるか分かりませんよ?」


 なるほど、ヤキモチでまた豹変されても困るしね。

つまりこういう事か?この戦いが終わったらオレ…みたいなやつだな。

うん、ボクは死なないし、大丈夫だ。


「ふふふ、決まったようですね。この子を起こしますよ?いいですね?」


 もう迷う事は何も無いので、黙って頷いて、覚悟を見せた。


「では、フラグが立ったという事で。」


 『善』さんがそう言った後に、洋子さんの身体から、小さな光の粒が弾け飛び消えていった。


 自分でも分かってますが……フラグとか…やめてください。


「う……、ん……。あれ?ここ……何だか見た事が……。」


 『善』さんが、起こすといっていたが、能力を使って何かしてたのだろう。光の粒が消えた後、洋子さんが()()()()()で目覚めたのがその証拠だ。不思議なチカラを持っている人だな『善』さん。


「洋子さん、気がついた?身体は大丈夫?」


 話しを切り出したいのだが、上手くそこに持っていけない。月並みな言葉を吐いてしまった。何が言いたいのか、自分でも分からなくなった。


「り、稜くん。…あ!私……島で…。」


「うん、洋子さん、島は大丈夫。ボクは洋子さんが無事ならそれで…。」


 島の居住区での事を覚えている様子だが、どこまで覚えているのかは見当がつかない。そんな洋子さんに、またもや切り出せずに口ごもる。今更気付いたのだが、『善』さんの姿が見当たらない。洋子さんに姿を見られると、何か都合でも悪いのだろうか?


「うん…ありがとう。りょ、稜くん。おウチ、ごめんなさい…。」


 家を壊してしまった事は覚えているみたいだ。謝罪の言葉が重く感じる。洋子さんが、俯きながらも続けて話し出す。


「島の人達…怪我してないかな?その……川上さんとか…。」


「うん、彼女は直ぐに連れ出したから、怪我はないよ。安心して。」


 彼女の心配をしてる言葉だと判断して、助け出した事を伝えたが、洋子さんが小さく肩をビクッとさせ、正座した膝の上で組んだ両手を解き、左右の手をそれぞれ握り込んでいる。


「り、稜くん…。あの、彼女……、か、川上さんの事……好き…なの?」


 そう言った洋子さんの目が、力強く閉じられていた。ボクがどんな答えを出しても、ちゃんと聞く。という覚悟がみえた。応えないと!その気持ちに。


「よ、洋子さん!」 「はい!」


 覚悟して言おうと名前を呼んだら、力強く返事をされ、驚いて言葉が切れた。


 が、頑張らないと!


 少し間が空いて、その為か、洋子さんの緊張感がいっぱいいっぱいの様子だ。


「あ、あのね…、ボクがごめんだよ!」


 だーー!!何言ってんだボクは!!意味分からないじゃないか!


「それは、川上さんが……その…。」


 ほらみろ!洋子さん誤解してる!早く言わなきゃ!


「ち、違う!洋子さんに、い、今まで、ちゃんとボクのき、気持ち伝えていなかったから、ご、ごめんなんだ!」


「え?…稜くんの気持ち?」


「う、うん。その、ボクは、えっと……」


 あーー!!あのそのやめろボク!!


「うん、ボクを助ける為に、地下通路に隠してくれたよね。あの時から、ずっとずっと、洋子さんが大好きだ!」


 洋子さんの顔は驚いてるが、ボクの言葉を待って、ずっと見つめてくれていたその瞳には、涙が溢れそうなくらい溜まっていた。そして、その涙が溢れ出すと同時に、ボクに語りかける。


「でも、でも、グスッ、年が離れてるよっ、ふぇっ、うぅ、おばさんだもん…グズッ…」


 途中、嗚咽につっかえながら、不安だったんだろうなぁ、と思わせる様な言葉をボクにぶつけてくる洋子さん。拗ねてる様にも聞こえてしまう。

あぁ、やっぱり大好きだと、心から思った。


「洋子さんは、その辺の二十二歳より綺麗だし若いよ。気にしないよ。」


「ヒグッ、うぅ、でも、でもね、私が六十になったら、グスッ、稜くん…うっ…離れるよ。」


 う〜……。どう言えば伝わるんだ?あ、『善』さんが言ってたフラグか!

 あ、いやいや、約束だ!


「洋子さん、今は戦いが優先されるけど、それは、敵なんか気にせず暮らせるようにだから!よ、洋子さんと!!だ、だから、それがちゃんと終わったら、け、け、結婚しよう!!」


 フラグ確定。  チーン。


 更に驚いた顔の洋子さん。涙が止まる程驚いた様子だ。あ、また涙が。


「稜ぐーーーん!!ワァァァァン!びぇぇぇぇっん…」


 凄い泣き崩れ様で、勢いよく抱きついてくる洋子さん。オッケーととっていいのかな?と自分で納得して、洋子さんを抱きしめながら、なだめる。ボクもやはり貰い泣きしてしまった。覚悟して告白する!と決めていたせいか、緊張が勝って、涙が遅刻したのだ。


今更の告白!?原因は主人公に。 次回は隠された洋子の過去が!?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ