コキュートスの湖
久々の短編です
気付けば私はそこに居た
深い深い深い、青の世界
私を包み込んでくれる深淵
ゆるりとおちていく私の体
世界は色とりどりに染まっていたんだ
もう後戻りはできない
取り返しのできない罪
もう許されることができない罪
私は
それを背負って生きていく
それが運命のはずだから
見れば遠くない海面
太陽のうっすら見える輝きはとてもキレイ
投げ出された両腕からは何の感覚も得られない
自由を縛られた世界
ふわりふわり
落ちていく
何処へ往くのかも分からない深淵に
ぷかりぷかり
沈んでいく
新たな世界の待つ深淵へ
考えることすらも忘れるぐらい
快楽に任せた深淵へ
さぁ、赦したまえ
私の罪を
贖罪への嘆きはまだ遠い
気付けば私は
底に居た。