仲間
俺は、アルルに激昂し、アルルの地面に棘を生成させた。
アルルは、持ち前の運動神経と反射神経により、軽々とかわした。
「ふー、危ない危ない。」
アルルは余裕な表情でそう言った。そして、綺麗に地面に着地し、思いっきり地面を蹴り、俺に迫ってきた。
俺は、目の前に鉄の壁を生成させたが、アルルはそのスピードのまま回転しかわした。
不意を突かれた俺は、ギリギリの所で短剣をかわした。
俺は、冷や汗をかいた。俺とアルルは距離を取った。
「危ねー!」
俺は、一人呟いた。アルルは、笑顔を作りながら、俺を眺めていた。俺は持っている剣を捨て、鎖付きの剣を生成させた。
そして、両手で強く握った。
「剣が変わった!!?」
アルルは目を輝かせながらそう言った。アルルはさっきより早い速度で俺に近づいてきた。
俺は、アルルの一辺倒な戦い方を読み、自分の真下に踏み台を生成させ、アルルをかわし、鎖を垂らしアルルに巻きつけた。
そして、剣を引っ張り、アルルを強く締めた。
「捕まっちゃった!」
アルルは焦るどころか。笑みを浮かべていた。
その時、俺の後ろにはレンカが迫っていた。
レンカは持っている剣を俺に振り下ろしてきた。
俺は、止むを得ず剣を放し、横に転がり攻撃を避けた。
怒りで、レンカの存在を忘れていた
俺は、この状況をかなり窮地であることを悟った。
「やべーな…。」
俺はひたいに滲む汗を腕で拭った。俺に休む暇を与えんばかりに、レンカが攻撃してきた。
しかし、安易にレンカの攻撃はかわせた。
「動きが、鈍い?」
俺は、この出来事が頭に引っかかった。
そして、俺はある仮説を立てた。
『このスキル操れるが、操った相手の心までは完全に縛らない』
というものだった。
もしこの仮説が正しければ、レンカはある状況を狙っているかもしれない。
そして、俺はこの仮説のもと次の動きに出た。
レンカとアルルは俺を囲む様にし、同時に攻撃を与えにきた。
アルルの攻撃は当たったらゲームオーバー、レンカの攻撃は俺の動く先まで読んでいるので、臨機応変に壁や盾を生成させて、回避しなければならない。
極度に集中力を必要とするものだった。
「あれ〜、さっきより動きが悪くなっているなー。
もしかして、仲間には攻撃できない?」
「いちいち、うるさいな!こっちはこっちは集中してんだよ。」
「怒られちゃった」
と不気味な笑みを浮かべながら、アルルはそう言った。
そして、俺はアルルの突きをかわし、その後のレンカの剣撃を肩に受けた。
「うっ!」
俺の肩からは、血が滴っていた。アルルは倒れ込んだ俺の姿を見て、最高の笑みを浮かべていた。
「片付けまいと攻撃しなかった、仲間からの攻撃は最高?どう?」
「最高だ!」
「あんた最高!もしかして、ガチのM?」
そして、アルルが短剣を持って俺の近くまでゆっくりと近づいてきた。
「これで、あんたも私の道具だ。」
そう言って俺に向かって刃を向けて突き刺しにきた。
「おもちゃじゃない、人だ!」
その時、アルルの腹部は長剣で貫かれた。そして、
長剣の先端から血が俺に垂れた。
アルルは俺の目の前で短剣を保持したまま唖然としていた。
「お前は、おもちゃのはず…。」
「人だって言っただろ!」
俺はそう言って、ニヤリと笑った。
「これで、おしまいだ!」
俺は、手に剣を生成させアルルをもう一度貫いた。
アルルは手から短剣を落とし地面に倒れ込んだ。
「なんで、私が…こんな奴に!」
「お前が完璧に精神を支配できるわけじゃないって、途中で気づいた。
お前は人を信用してない。こういう方法でしか、使えない。それがお前の弱さだ!」
俺は、唇を噛み締めて言った。
「人なんか人なんか、すぐ人を騙して、陥れる最悪な動物だ!私の両親は!両親は!」
そう言いながら、「ぐはっ!」と血を吐いた。
俺は、その時アルルが最悪な環境で育った事を悟った。しかし、今俺にできるのは哀れんでやることしかなかった。
「私だって、みんなと遊んで、笑って、幸せに暮らしたかった。」
そう言って、静かに目を閉じた。
その瞬間、レンカ、ユナ、バルクの目はふつうに戻り、はっと我に返った。
そして、俺の姿を見ると三人は走って駆け寄ってきた。
「シャルクどうした!」
バルクがそう言って寄ってきたが、なんていうか迷ったので、うまくごまかした。
俺の怪我の処置が終わり、レンカにあの戦いの記憶があるか尋ねたが、なかったみたいだった。
「あれは一体?」
俺は、遠くの方を見ながらぼーっと考えた。
更新が遅くなってしまいました。すいません~_~;
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