第23話 地下の最終決戦②
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アルザスが扉から出てき、また俺を攻撃するのかと思い身構えていたら、扉の位置をずらし始めた。
そしてさっきより遠い位置で俺を囲むように、扉が配置された。
アルザスは舌で口を舐めながら、白い床に手をつき
「召喚!!」
と叫び、扉からはケロベロス、二足歩行で顔は闘牛の様な顔、そして手には斧を持っているミノタウロス、
ライオンの顔、山羊の胴体、蛇の尻尾のキマイラが3つの扉から現れた。
どれもかなり巨大で、今にも襲い掛かりそうな勢いであった。
「俺の召喚術は、魔界一だ!せいぜいそいつらと楽しむといい。」
バルクが駆け寄ろうとするが、俺が手を出し静止した。
「こっちに来るな!お前はモールを見てろ。」
「でもな…。」
そうバルクは言いかけたが、俺は極度の緊張で何も聞こえなかった。
まず襲い掛かって来たのは、強靭な肉体を持つミノタウロス。ミノタウロスは斧をふりかざし、俺は床から鉄柱を出し斧を止めた。しかし、ミノタウロス斧は思った以上に強力で、鉄柱が折れ曲り、俺の目の前まで斧が迫っていたが、大剣を作り出しその攻撃を受けた。
「くそ、重い!!」
腰を落とし、上から力を加えて来るミノタウロスの攻撃をかろうじて防いでる中、横からケロベロスとキマイラが飛びかかって来た。
「嘘だろ…。」
力を抜いたら真っ二つ…。でも、横からもろに受けるのはまず無理だ。
そして俺は地面から左右に棘を出し、二匹の獣を貫いたが、急所ではなかったため、まだ普通に動けていた。
その隙をつき、俺はミノタウロスの上に槍を作り出し、脳天から串刺しにした。
さすがに脳天から串刺しにされたので、どんどん斧の力は抜け、倒れこみ、黒い霧となって消えた。
俺は一呼吸置くと、またキマイラとケロベロスがよだれを垂らしながら構えていた。
ケロベロスは左右に揺さぶり俺の的を絞らせないやうに走り込み、噛み付いて来た。俺は間に壁を作り、
ケロベロスは思いっきりぶつかりまた倒れた。
するとキマイラは近寄ることなく、口から火を吐き攻撃して来た。
俺は突然の遠距離攻撃に反応出来ず、顔に直撃した。
「熱!」
そして顔の左半分が焼け、左目がうまく開けられなく、死角が増えてしまった。
「ちくしょー…。全然見えない。」
俺は左手に長剣を生成し、キマイラに斬りかかった。
すかさず、キマイラは火を吐いてくる。
「同じ手を食らうか。」
俺は左手で大量の水を作り出し、火にかけ、鎮火した。キマイラは、身の危険を、感じ後ろに退くが、俺は地面を強く蹴り、物凄い勢いでキメラを斬り、一刀両断した。
「ギュルルル…。」
と不気味な声をあげ黒い霧となり消えた。
その直後であった。先程まで倒れていたケロベロスが上から襲い掛かって来た。
そして、俺は持っていた長剣を思いっきりケロベロスに投げ、ケロベロスを腹を貫いた。
どす黒い血が雨のように俺に降り注いだ。
その後床に落ちると同時に、黒い霧となり消えた。
「ハーハー。倒した…。」
俺は膝に手をつき少しの達成感と、まだ続く果てしない戦いに絶望を感じた。
「まさか、私の育成した魔獣が倒されてしまうとは…。」
そういったアルザスはまだ余裕を醸し出していた。
俺の体力は今の戦いとこれまでの戦いであまり残っていない。消耗戦では確実に負ける…。
「チッ!」
と俺は舌打ちをした。
「魔強石を使うか…。いやまだ早い。」
俺はそう呟いた。
「私も本気を出しましょう。」
アルザスは首にかけている宝石を見せ、
「宝石よ、我が力を解放しろ!」
「お前、宝石を手に入れたのか?」
俺はそう聞くと、アルザスはニヤッと笑った。
「絶望したか?お前は持っていない。この時点で俺の勝ちは確定的だ。それでも戦うか?」
「くっ…。戦うしかないだろ!」
俺は意地を張りそう言ったが、勝算は全くなかった。
するとアルザスは、
「扉を1つになれ!」
と叫んだ。そして7つの扉は1つになり大きな一つの扉を作り上げた。
そして、俺はその扉が開くと、俺は中に引きずり込まれた。必死に抵抗するがなすすべがなかった。
「バルク…!」
俺はバルクの方を見たが、下を向いて俯いていた。
そして吸い込まれた先は、さっきとは全然違う空間で
、そこは火山の火口近くだった。
「暑すぎる…。」
俺は額から垂れてくる汗を拭った。
「ここはどこだ?」
「俺の能力で、扉の中に自分が望んだ空間を作り出せる。ここにあるものは俺が自在に使える。」
「どんなチート能力かよ…。でも、バルクがいないここでならあれが出来る。」
アルザスは火山からマグマを引っ張りあげ、意のままに操った。
火山の頂上で戦いづらいので、少し平らな所まで全速力で走った。
「ここはお前が作り出した空間だから、無限に広がっているわけではない、そうだろ?」
「まあそうだなぁ…。そんなことを知って俺に勝てるとでも?」
「ああ、まあそういうところだ。」
珍しく俺は弱気に言った。
そして俺は巨大な爆弾を生成した。
発火と共に俺とアルザスは遠くに走った。
数秒後轟音と共に、足場が無くなり、火口へと真っ逆さまに落ちて行った。
「お前が作り出した出来損ないの世界だ。
だからもろい…。マグマは見た感じハッタリじゃない、このまま焼かれろ!」
「お前も死ぬぞ!だがお前は勘違いしている…。この世界は俺の意のままだと…。」
「違うな、一度作り出したら、固定されているものは変えることができない。どうだ上から岩石が崩落してくるぞ!」
俺は迫ってくる岩石など怖くなど無かった。
万物想像スキルがあるのだから。そして火山の端から端を貫く様に横に柱を作り出した。そしてその柱の上に乗り、頭上に鉄の厚い壁を作り、岩石を塞ぎ、岩石が降り止んだところで足場を広げた。
「俺の勝ちだ!!!」
しかし、アルザスはまだ笑っていた。
「転移!」
そう言うと今いた空間は崩れ始め、気づいたら氷で覆われている世界に立っていた。