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第2話 ユナと俺の脱獄劇

ここは王城の地下二階、俺が閉じ込められていた場所は地下三階、ユナによれば地下一階から地下三階は囚人が閉じ込められているらしかった。

この国は治安が良いと賞賛されているのは、巨大な牢屋に罪を犯したものは片っ端から閉じ込めてるからかもしれないと思った。

上から足音が聞こえる…足音からして2人か3人

「ユナ隠れるぞ!もう情報が回って監守も多く動員されてるらしい」

俺はユナにそう忠告した。

「本当だ、私の透明化が持つのはあと8分、その時間が切れてもう一回使うには30分かかるから、あと8分で脱獄しなきゃ私たちの命はないわ」

「私たち?冗談言うなよ。もしも捕まりそうになったら、お前が俺を捕まえたことにして、王都の貴族に俺の身柄を渡せ。」

「そ、そんな…嫌だよ、私も一緒に捕まる。」

「俺の都合でお前を巻き込みたくないから、言う通りにしてくれ。捕まらなければいいはなしだがな。後、俺についてくるとしても、両親と一生会えないかもしれないけど、良いのか?」

そう言った途端一瞬顔が曇ったように感じたが、すぐさま答えを出した。

「私は、シャルと一緒に居れたら大丈夫だよ」

と微笑んでくる。この時絶対抜け出してやると、心に誓った。

「もう、足跡も遠のいたし行くぞ!」

「うん、わかった。後6分くらいだから急ごう」

制限時間的にずっと不可視のまま何事もなく、すり抜けるのは不可能と感じた。そして、階段を音を立てないように駆け上がっていった。

地下一階に着く手前、護身用の為にとスキルで作ったダガーを渡しておいた。

地下一階は広々としていた。そして、両サイドに独房が何個も設置されていた。目線の先に一階に繋がる階段が見えた。単純な作りで、罠があるかと思ったらそうではなかった。地下三階は凶悪な囚人、例外スキルを持っている人など逃してはならない人が収容されている。もし逃げ出したとしても、ここにたくさんの人員を配置して、出口を塞ぐ為だと理解した。

「やばい!この情報上までが伝わったらこの出口を塞がれる。」

「じゃあ速く走ろう!」

そして、俺とユナは全速力で走り出した。そうしたら案の定多くの騎士達の足音が聞こえて来た。

「例外スキルの小僧が逃げ出した!見つけ次第処分するか捕らえよ!」

相手は殺す気満々であった。

多くの騎士が降りてくる前に、階段の隅まで追いついた。そして、当たらないように様に隠れ騎士全員が地下一階に降りたのを確認して、

階段の真ん中に立ち、地面に手をつけ

「ビルド・ザ・ウォール」

と言った。俺のスキル頑張ってくれと願いながら壁を形成した。そして、奇跡が起きた。階段の出口を上から下まで全て壁で覆うことは叶わなかったが、騎士達が乗り越えられない高さまで壁を築くことができた。

そして手を見ると

「万物創造スキルレベル2」と表示されていた。

そして、地下からは

「畜生はめられた!!」

「助けてくれ!」

と騒ぎ声が聞こえてくる。そして、ひたいの汗を腕で拭った。

階段の上部は光が差し明るくなっていた。

階段を抜けると王城の豪華絢爛な部屋や廊下が広がっていた。周りには貴族の中級階級の人達が数十名見回りをしていた。その貴族達は口々に

「あのスキルでも、あの軍勢を抜け出すことは出来ない!この牢獄を抜け出せるのは英雄アレス様くらいしかいないな」

と言いながら大笑いをしていた。じゃあ俺は英雄アレス様と同等かと思いながら眺めていた。俺だけじゃ抜け出せなかったと言うことは重々承知であるが…

貴族の間をすり抜けながら、元々いた鑑定室まで戻ってきた。鑑定室から出口まではとても近い。鑑定室には誰も居なかったので全速力で駆け抜けることが出来た。そして、階段を降りれば出口というところで、ユナのスキルが切れてしまった。出口には貴族は手薄で誰も見て居なかったのが幸運であった。と思ったが、出口の前には1人の貴族が立って居た。

あれは…鑑定室から違う部屋に連れて行った貴族!?

あいつの能力は多分催眠…人が持っているスキルは俺の理論からすると、何かしら弱点というか欠点がある。その可能性にかけて、催眠スキルは相手の目を見なければ発動できないと踏んで戦いに挑んだ。

「まさかここまで脱獄するとは、驚きだよ。でもゲームオーバーだね。上級貴族のアンドレアがいるのだから。そこのお嬢ちゃんは危険な餓鬼を殺してから可愛がってあげるとするか。」

「殺す!」

と俺は鬼の形相になり斬りかかった。でも剣術なんか習って居ない俺は一振りで振り払われた。そして、俺は短剣を持ちアンドレアに突進した。

「気が狂ったか!」

相手は満面の笑みを浮かべながら、剣を構えて居た。

俺は相手と1メートルくらいに差し掛かった時、短剣を落とした。アンドレアの目がその短剣に行った瞬間

さっき短剣を持って居た所に長剣を作り出した。リーチが急に伸びた分反応できず、アンドレアの胸を突き刺した。そして、アンドレアは倒れ込んだ。

その隙をついて、ユナと俺は逃げ出した。

「このまま逃げ切れると思うなよ!お前は今、王都全体を敵に回した。必ず追っ手が来る!そして、必ず俺がお前を殺してやる。」

そう言い残していった。そして、俺はユナの手を強く握り王都外に向けて走り出していった。

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