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第1話 万物創造スキル

俺はシャルク・ルデーラ。今いるのは王都のスキル鑑定室の一室である。今年中に15歳になるものが受けるわけだが、スキルというものは今後の人生を左右する一大イベントであった。そして、俺の番が回ってきてスキル鑑定師の前にやってきてスキルを見てもらい手に焼き付けるというわけである。俺の番がそろそろきそうになり、軽い天然パーマの髪を弄り、そわそわしながら待っている最中、

「私たちどんなスキルなのかな?シャルはなんだと思う?私は天性の美女ってスキルかな」

こう喋るのは幼馴染のユナ・ウィンディー、小さい頃からずっと一緒で髪が長く、容姿、スタイルは良いのだが知能がダメな娘だ。

「そんなの無いから安心しろ、というか場を考えろなんでお前は人生という名の分岐点でそんなに平常心で居られるんだよ」

「だって、私どんなスキルでも親の商売手伝うって決めてるし」

「スキル次第では、億万長者になれるんだぞ!それでも良いのか」

俺はそれが甚だ疑問であった。

「お金なんてどうでも良いや!今みたいに平和に暮らしてれば」

こいつは良いやつだがつくづく性格が合わないと感じる。そんな会話をしてると、俺の番が回ってきた。

そして、鑑定士の前にいきスキルを焼き付けた。

「万物創造?なんだこのスキル。」

鑑定師の様子が一瞬変わったのは分かった。そして、そこを取り仕切ってる貴族の方に報告しにいった。

「万物創造スキルです。」

そう言って立ち去ろうとした時、鑑定師が貴族に耳打ちをした。そして俺に、

「ちょっと君、こっちの部屋に来てくれるか」

と言われ、

「は、はい…良いですけど」

と言われるがままに隣の部屋に行った。

「シャルどこ行くの?そっち出口じゃないよ」

彼女の声は届かなかった。






その一室はシャンデリアや宝石類が並んだ豪華な部屋だった。

「早速本題に入るが、君のスキルは国家の存亡に関わる危険なスキルだ。そこで君には悪いが処刑しなければならない。」

今なんて言った…処刑?おれは死ぬのか

「えっ!ちょっと待ってください。」

「焦るのは分かるがこれは貴族の決定だ、平民の君は逆らえない。3日後処刑を行う。親との面会はさせてあげる。その事は心配するな、その間独房に入ってもらう。」

そう言い終わると、急に眠気が襲って来た。相手の催眠スキルだった。

その光景を1人の人間が誰にも気付かれずに眺めて居た。

目を覚ますと、鉄格子の中に閉じ込められていた。

周りは灰色の壁、床トイレとベッドが用意されていた。そして1人部屋であった…交代交代で監守が見回りに来ていた。独房に閉じ込められている人は、皆いかつい人ばかりであった。そして、隣の囚人が

「あんたまだ小ちゃいのに独房か…この国も腐っちまってるよな。例外スキル持ちか?」

見た目は怖いが、そんなに怖い人ではなさそうだったので答えた。

「はい…3日後に処刑と言われましたが実感が湧かなくて。」

そう言うと、

「最後まで足掻けよ!何かが起こるかもしれないからな」

と言ってにっと笑った。このスキルを使って見るしかない。万物創造と言ってもどうやって作り出すんだ?

とスキルの使用方法、必要な道具、脱出方法を考えていたらあっという間に時間が過ぎていった。

囚人は45分見回った後、持ち場に戻り15分休憩を繰り返す。この15分のうちに抜け出さなければ行けない。そして、このスキルの用途がやっと分かった。

作りたいものを強く念じれば想像したものが出てくるが、そんなに大きいものは作れない。今できる最大限の武器としては短刀サイズの物。まだ大きい壁とか、長剣とかは作れない。スキルレベルとかを上げなければならないのだろう。鉄格子の鍵を作ろうとしたが鍵の形状が分からないため、それは無理だった。そして、爆弾で破壊することにした。でも破壊するのはいいがその後で気づかれ見つかってしまう。そして、途方に暮れながら一夜を過ごした。



2日目の朝

気づいたら寝てしまっていた。鳥のさえずりも聞こえない朝は初めてだ。ひんやりとした室内、陽光が一切当たらない、いるだけで気持ち悪くなりそうであった。今日は武器を作り出し、脱出方法を練り直すことにした。まず、この城の図面がないことが一つの大きな問題であった。隣の囚人の話によれば、穴を貼ろうとしたやつもいるが石が思った以上に頑丈で無理だったと言う。今日のうちに出たいと考えていた。3日後とは言ったが、家族の気まぐれで直ぐ処分にしようと言いかねないからだ。逆の可能性は低いと考える。

そうこうしてるうちに時間は刻々と過ぎていった。

最後の足掻きで鉄格子を爆発させまくって自爆するかと考えた。そして、用意をしているとどこからか声が聞こえた。

「シャル私よ私。助けに来たは」

誰も姿形も無いのに声が聞こえる。さすがに疲れて幻聴でも聞こえたかと思ったが、その声はますます大きくなっていく。

「シャル、私!ユナよ。私のスキルインバジルを使ってあなたを探してたのよ。あなたの事情は全て聞いていたから知ってるわ、助けに来るの遅れてごめんね。

この透明化も制限時間があるから、隠れながら使ってたのよ」

俺は、

「ユナ!本当にありがとう」

と泣きながら言った。これで脱出方法が一つ思いついた。かけであったが、

「お前のスキル他の人も見えなくすることできるか?

多分だけど触れたものは不可視に出来るよ。」

神様は俺に微笑んだと思った。

「じゃあ俺のスキルで爆弾を作って、鉄格子を爆破させるから、俺のことを触れ!逃げるぞ」

一か八かの勝負であった。

「爆破!!ちょっと待って…」

「いくぞ!俺は鉄格子に爆弾を巻きつけそこに火を点火し、離れた。ユナも遠のいた。そして、数秒後ものすごい爆音がした。

鉄格子が粉々に飛び散った。周りの囚人もびっくりしてこちらを見るが、何も言わなかった。隣の囚人が、「やるじゃねーか!達者でな」

と言った。そして、手を振った後ユナが俺に触れ不可視状態になった。

そして、何名もの監守が一斉に駆けつけた。が、誰からも見られるずに脱獄に成功した。そして、ユナは俺の手を引っ張った。

「行くわよ!あとこのスキルあと10分くらいしかもたない、あと他の人に触れると効果は切れるからね」

「時間ねーじゃん!あと人に触ったら効果が切れるなんてどんな鬼畜なルールだよ。」

スキルは全て欠点が有るのかと言う仮説がたった。

「シャルどこに逃げる?」

「多分この国は無理だ。隣国のブラーハム共和国まで行こう、まずこの城のことを考えろ!直ぐに情報が伝わっちまう」

こうして、俺とユナの脱獄劇が始まっていった。


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