後始末 後編
後編です。
???視点
「君はどうするんだい?」
『ん?』
「対象と接点があるんだろう?」
『あぁ・・・一応な』
「今後どう動くのかなと思ってね。」
『・・・・』
しばしの間、沈黙が続いた。
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転校生(可哀想な子とか考えると、また泣き出すのでやめました)が落ち着いたところで話を進めました。
「まぁそっちの事情は大体わかった」
「信じてくれるの?、ウソかもしれないわよ?」
「それはないな(キッパリ)おまえの上司には何かあるかもしれないが、現状それほど悪意は感じれないしな、放置でいいだろう。」
「うん、私も賛成だね。」
柊さんも俺に賛同してくれている様だし、こちらから何かしら面倒な処理はしないですみそうだな・・・・
俺たちの返事を聞いて、また涙目になった転校生は、小さい声で礼を言います。
「・・・あ、ありがとう(ボソ)」
・・・色々あったんだろうなぁ
・・・・今度からもう少しだけ、優しくしても良いかなと、この時俺は思った。
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それから少し時間が過ぎてから転校生が口を開く。
「そう言えば・・・泉君て異能者なんだよね?」
「うん?、あぁ、て言うか見てただろ?」
どうした急に?
「うん、そうなんだけどねー、何かさっきまでの騒動が、まるで夢みたいだったから」
あぁ〜、ま言いたい事もわかるが、
死にかけて、気が付いたらあっという間魔獣が倒されている。
色々思いたい事もあるが、
「夢じゃないぞ、おまえを助けて魔獣を倒したのは俺だぞ」
威張りたくないが、夢だと思って現実逃避されても困るからな、
・・・・まぁちょっと罪悪感があるしな
「ギリギリまで待ったけどね(ボソ)」
こら〜!!!
柊さん余計な事を言わないで!!!
って!、あなたが指示したんでしょうが!!!!
「うん?何か言いましたか?」
「気にすんな、で、ないか聞きたいんだろ?」
不思議そうに首を傾げないで下さい。
そんな純真な目で見ないで下さい。
毒・・・毒過ぎますその視線が・・・・
柊さんー!!、ぷすぷす笑わないで下さい!!!!
「あぁうん、泉君て・・・もしかして野良の異能者?」
あーそんな質問か・・・
「あぁ・・・少し違う、俺は何処の機関にも所属してないが、この街の異能者だ。」
「う〜ん?、どう違うの?」
まぁ分かんないかな・・・
「野良は治安とか考えない連中の事だ。
俺はこの街に出てくる魔獣を倒す事を決めている。」
「けど、それは・・・」
「そもそも、この街に異能機関がいないのだから、俺が街を魔獣から守てもべつにいいだろう?」
「うー」
唸るなよな・・・仕方ないあんまりキツイこと言いたくないが・・
「今まで放置してきたそっちが、今更何か言える立場じゃないだろ?」
「・・・はいそのとおりです」
落ち込んでますね。
けど仕方ないこっちにも都合があるのだ。
「まぁまぁそのぐらいで、
零もそろそろ時間が・・・」
柊さんに言われて時計を見ると、夜の9時過ぎでもう直ぐ10時です。
イカン明日も学校がある、葵には遅くなると連絡したがこれ以上はマズイな
「そうですね。」
「泉君?」
俺たちのやり取りがイマイチ分からなかったみたいで、呆然と俺の方を見る転校生
・・・いやおまえも学校だろう
ハァー
「そうだな・・・そこら辺について、また後日話さないか?」
「後日?」
「お互いよまだ色々と整理がついてないだろ?
それによ、時間も時間だし明日の放課後でいいか?」
俺の提案に少し考える仕草をすると転校生は頷き
「あ・・うん分かったわ」
了承してくれた様だ。
その後、連絡先などを聞いて解散しました。
「それじゃまた明日」
「おう、またな」
俺も帰りますか
可愛いい妹の居る我が家へ
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柊 幻蔵 視点
彼等が帰宅して行くのを見て、店内の片ずけにはいる。
片ずけをしながら、今回の件について考える。
「うーん、やはり扉が原因かもしれないな、もともと謎めいているからな」
魔獣の出現速度とそのレベルの異常さ・・・これは何かしらのチカラが働いたに違いない、だとしたら、もうあの扉しか考えられん!
「日に日に、酷くなっているな、だがまだ、今すぐどうにかなる話ではないか」
まだ先の事だ、だが対策はしっかり取らないとな、零にばかり苦労をかける訳にはいかない。
「それより彼女だ」
遂に明らかになった彼女の素性、まだ確認は取れてないが、恐らく間違い無いだろう。
嘘をつける子とは、思えないしね。
「どうしたものか、新しい協力者としては問題ないだろうけど、今回は相手がBランクだったしね、しょうがないけど、だが問題は」
彼女の所属機関『四神』
「青龍か・・・まぁ本部よりかは、マシではあるけどね・・」
彼処にいるのは、どいつもこいつも面倒な人達だからね。
幾ら零でも、厳しい可能性がある・・・まぁ少ない可能性だがね
だがもう一つ問題がある。
それは・・・
「どうしてバレたのかな?」
本来であればバレるはずがなかったのだ。
「情報の隠蔽は、しっかりやってきたつもりだが、」
勿論相手が常時衛星で監視していれば隠蔽も難しいが、日本中を常時監視するのは困難の筈幾ら衛星を使っても・・・・ならどうやって最初に気付いたんだ?・・・考えられるとすれば
「・・・情報が漏れてる・・・いや流されている・・・・だが」
これは明らかに人為的な工作があるが、一体誰が?
該当すべきは、零の事を知っている人物だが・・・
「いや、心ではないな幾らあの適当人でも息子を危険な目に遭わせないだろう、そう言う考えでいけば、鍵の可能性もないし金さんはそれ以前か、電話とかパソコンとか使わないもんね」
うーん、あと誰か・・・・うん!?
「・・・まさか」
いや・・・1人だけ心当たりがある。
「あいつ・・・・」
1人の元息子を思い出して頭を抱えだした後、深い溜息を吐いた。
「ハァー零にどう説明しよう」
迷惑を掛けないと言った手前、心が地味に痛い。
「いったい何を考えているんだあいつは?」
まだ証拠はないが、何処か確信めいたものを感じた幻蔵であった。
苦労人の新たな日常 前編続く。
おまけ
とある家での一幕 (兄妹)
「ただいま〜」
「兄さん!」
「は、はい!」ビシッ!
「そこに正座しなさい」
「え?」
「聞こえませんでしたか?」
「で、でもココ玄関・・」
「正座」
「はい」
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「良いですか?、兄さん、遅くなるのは分かりますが、それでも、限度と言うものがあります!」
「はい」
「突然遅くなるなんて聞かされたら、心配するんですよ!」
「はい」
「しかも、一方的に連絡してきたと思えば、こちらから電話しても、繋がらないとはどう言う事ですか!?」
「すみません」
「そもそも兄さんは・・・」
この後更に1時間程お説教が続きました。
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「ハァーもう兄さんは・・・」
「いや本当ごめんて・・」
「もう仕方ないですね・・・・バイトもほどほどにしてくださいね。」
「心掛けます」
「もう!」ぶす〜!
「ぐぅ・・・(ふっくらしてる妹と〜!!!!)」
「ほんとうに、仕方ありませんね。」ぶぅ〜!
「うぅ〜あぁスマナイ(ぎゃ〜アカン!アカン!頭撫でたい!!!撫でたいよ〜!!!だが俺はクールな兄である!心を落ちつかせろ・・・明鏡止水さんだ!)」
「?・・・兄さん顔が変ですよ?」
「ソウカナ(あ・・・何やら分かってきた・・・)」
「カタコトですよ」
「そうカナ(そ・・・か・・・これが・・・愛)」
「なんだか仏さんみたいな顔に・・・」
「・・・・(ほぉ〜天使よ)」
「あれ・・・兄さん!?、頭から何か魂の様なものが!」
「・・・・(満足じゃ・・・)」
「兄さん!・・・兄さん!・・・しっかりしてくださ〜い!!!」
*しばらくして無事に零の魂は、帰ってきました。
本日は特にグダグダなおまけでした。(汗)