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(旧)こっそり守る苦労人  作者: ルド
第1章 苦労人の日常
15/64

後始末 前編

事後処理といったところでしょうか

何かタイトルから少しズレている気がしますが、

???視点

とある一室で電話で話している1人の男性


「では接触したと?」


彼は電話の相手に確認を取ると


『あぁ』


電話の相手は、そう返事をしたが


「さて、どうしたものか?」


********

さてどうしたものか?


俺は現在、頭を抱えていた。

【猫まんま】の4人席のテーブルに座っているのだが、隣の席で柊さんがニヤニヤしながら俺と同じアイスコーヒーを飲んでるだけ、向かいの席では、転校生が此方を伺いながらアイスティーを飲んでる。


奪ねぇからとっとと飲め!(ギロンッ!)



「うっ・・・・」ビクッ!・・・チビチビ


猫舌か!熱くねぇだろ!!つーか、ストローで飲んでるのに何でチビチビ!?


「・・・・ぷっ」


柊さんが吹き出してる、笑うの堪え切れてない。


「ハァー」


疲れてきました。


「とりあえず自己紹介から初めてはどうかな?」


柊さんが言ってくるので


「・・・・そうしますか」


自己紹介かぁ・・・まぁ必要かな


「え、えーと泉君?」


・・・・・


「・・・もう相手知ってるし良くないですか?」


もいいよ・・・いいですよ、めんどうになってきました


「こらこらヤケにならない、

いや済まないね、零は少し現実逃避入りかけてるだけだから」


「はぁ」


「じゃぁ私からいかせてもらうね、私は柊 幻蔵、この喫茶店のマスターをしているんだ、もし機会があったら、飲みに来てね。」


ちょっと、人を置いて勝手に話を進めないでくれます?


「は、はい・・えーと私は白石 佳奈と言います、2週間程前にこの街に来て、泉君とは同じ学園のクラスメイトをしています。」


「うん知ってる」


俺が話したから・・


「やっぱり、バレてましたか?」


何を言い出すかと思えば


「バレないと思ったのか?」


「ぐぅ!・・」


おいおい


「あんな大胆に動けば気付くなと言うのが無理な話だ。」


「じゃああの時、私に殺気をぶつけてきたのも・・・」


「あぁ俺だ。」


何か化け物でも見ている様な顔をしてるな・・

ま、あれに反応できた時点でお前も普通じゃないがな


「・・・貴方は何者」


「それはこっちのセリフだ、此方について話す前にまずそっちについて話せ」


悪いがこれは譲れない、転校生(こいつ)が野良の異能者の可能性もある、話の中に少しでも違和感を感じたら、色々と考えないといけない・・・


しばらくすると、


「・・・私は日本異能機関『四神(・・)』、東支部、青龍所属の異能者、白石 佳奈」


四神(・・)か」


また随分と大仰な

一応柊さんに視線を移してみると、コクリと小さく頷くので、実在している組織なのだと、思われる。


実は俺は、外部の異能関係の組織について殆ど知らないのだ、理由は知る機会が無かったからだ、少しは聞いているが、ほんとに少しだ、しかも大半が犯罪系の異能集団についてだ。


「日本政府機関は四神に準えて作られました。支部は全部で4つ北支部の玄武・南支部の朱雀・西支部の白虎そして東支部の青龍なの、更にそれらをまとめている総本部である黄龍で組織されているの」



何それ?

じゃ何か、他にも朱雀とか玄武とか

痛い部隊名を掲げている集団がいると?

あんたら良くやってられるなぁ


「私がこの街に来たのは貴方・・・泉君を探す事、可能であれば勧誘、それが無理なら暫く此方に残って協力して街を守る事これが私の任務よ」


「協力?」


彼女の言葉に柊さんが反応する


「私も途中まで勧誘目的だったけどね、急に知らされたのよ」


うむ・・・・放置?

分かってる上司がいる様だ(嬉)


「う〜ん?、何か変な事考えなかった?」


うわぁ

こちらを睨んでいる


「気の所為だ」


落ち着け・・・顔に出すな・・・

出さなきゃあバレない

・・・・はずだ


「何か上司と同じ顔になってるけど、イタズラしてる時の」


「・・・きのせいだ」


はははは上司と同じ顔だって・・・

・・・こわいよこの転校生


そんな俺たちのやり取りを見て、

話が進まないと思った柊さんは、苦笑しながら言う。


「それで?君の言う協力とは具体的にどんなことなのかな?」


そんな柊さんの問いに、さっきまでこっちに睨んでいた転校生は、1回咳払いをして話し出した。


「上司の指示では、このまま学園に通いながら街に出てくる魔獣の討伐をしていく様に命じられています。その際可能であれば、街にいる異能者と協力していくのも良いのではという話だったわ。」


ほうほう、なるほどなるほど・・・・



「つまり、あわよくばそれで信頼関係を築いていき、後々の保険にもなると?」


「うっ!」


・・・・・・


分かっりやす!

何なんだよさっきから!

本当に潜入者として選ばれる程の異能者か?

いや実力はある、だがそれ以外あまりにひどい!

それに実力なら、他には居なかったのか?

いやいた筈だ。

潜入が上手くこういった駆け引きができる奴が、

・・・しかしこれはいったい?


「分かりやすいね」


柊さんも同じ反応だよ。

そうだよ、やっぱり変だ。

あの時初めては転校生(こいつ)にあった時に感じた違和感、そして学園入ってからの転校生(こいつ)とのやり取り・・・・まぁなんとなく分かっちゃいたが、


「薄々気づいてたけど・・・・バカ?」



しばし、静寂に包まれる店内

・・・地雷でしたか


しばらくすると顔を真っ赤かにした転校生が


「バカって言うな〜!!!」


叫びました・・・・


やはりバカでした。

しかも重度のバカ

・・・いや、今までの事を振り返ればなんとなく分かるし




少し昔を振り返ってる間に、何やら転校生が涙目になって胸倉を掴んできます


ちょ、ちょと・・・


「こっちが気にしてる事を〜!」


気にしてたんですね・・・・

ココまでくれば分かる、つまりこの転校生(バカ)は、潜入捜査として送られてきたのではなく(もちろんそれも仕事うちだが・・・それはおまけ)この街の新しい戦力として送られてきたのである。


簡単に言えば、投資だな転校生(バカ)の上司から俺への・・・


ここまで考えると・・・・

なんかさ・・・

「あぁ・・・・わるい」


同情してきたわこいつ(可哀想な転校生)に ・・・・




「そんな可哀想な子を見る目で見ないで〜!!!」



転校生(可哀想な子)の悲鳴にも似た叫びが静かな店内に響いた。



後始末 後編へ続く。



おまけ

とある喫茶店での一幕 (それぞれの飲み物)


「まぁゆっくりしていきなさい、はいアイスティー」


「あ、ありがとうございます」


「うん、でこっちが零、君のアイスコーヒーだよ。」


「あぁどうも、」


「・・・・・」


「・・・・・」


「(く、空気が重い!)あ、あのー泉君」


「うん?何だ転校生?」


「え、えーと、い、泉君てコーヒーは、シロップとか付けないの?」


「うん?あぁそうだなあんまり付けない派だな」


「へ〜、苦くないの」


「わりと良いぞ、この苦味も、そう言うおまえは」


「ハハハ、うん、ちょっと無理かなぁ〜そもそもコーヒーはあんまり飲まないかな・・・」


「ま、苦ってな人もいるからな・・」


「あっでも紅茶とかなら結構好きだよ。」


「あー、何か種類がいっぱいあるんだよなぁ?」


「え、う、うん、そうだよ・・・たぶん(ボソ)」


「たまーに、妹が買ってくるんで、淹れてみたりしてるけど、正直分からん」


「あっ!そうよね!私も知り合いにも、そういたのが好きな子いて、毎回比べさせられるけど全然分かんなかったわ!」


「そ、そうなのか・・・(さっきの質問はマズかったか・・・全然知らないみたいだ)」


「あ・・・」


「・・・・(自分の失言に気付いたか?)」


「・・・・・(かー)」真っ赤


「(あっ、恥ずかしがってる・・・・)」



「「・・・・・」」


「まぁ俺もよく知らないから・・・気にするな」


「・・・・そう言われると・・・余計に気にしちゃうのよ〜」



*柊さんが来るまで、しばらくこの気まずい空気が続きました。

コーヒーや紅茶などについてよく知らないので、今回のおまけは他人事とは思えませんでした。

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