伊織の助言
昨日投稿するつもりが遅れてすみません。
たった今話してたのが誰かわからない。
「あれ? 何でここに来たんだっけ?」
そもそもここに来た理由がわからなくなっていた。
【......お......み......】
「何だ!? 声が聞こえたぞ!?」
辺りを見回しても人がいる気配はない。
静寂と少し薄暗い部屋がどんどん不気味に思えてくる。
それからの事は覚えてない。
恐怖に負け、死に物狂いで走り気がついたら寮の近くに来ていた。
部屋に入ると急に眠気に襲われ、そのままベットに向かった。
【おい......みな......】
急に声をかけられゆっくりと目を開ける。
しかし暗い自分の部屋に誰かいるはずもなく。
「また幽霊か......伊織頼む......」
それを言った瞬間自分の言葉に疑問を覚えた。
「伊織? 伊織って誰だっけ?」
こんな事を頼めるって事は仲良かったのか?
でも覚えてないし......
【おい......みなと......】
「何なんだこの声! 出てこい!」
その瞬間自分の顔に自分の右手がきて......殴られた。
「え......?」
何が起こっているかわからない。
自分の意思ではない、誰かに身体を勝手に使われた。
「一体何なんだよ」
今起こっている事を理解しようとするが無理だった。
【忘れたのか】
今度は言葉がはっきりと聞き取れた。
「ど、何処にいる」
どこにいるかわからない。
しかしよくわからない安心感があった。
【俺はお前の中にいる】
「俺の......中?」
こいつは何を言ってるんだ?
【やはり綾瀬の仕業か。 めんどうな事をしてくれたもんだ。】
綾瀬? どこかで聞いた事あるような......。
【まったく思い出せていないみたいだな。 しょうがない、俺と記憶を共有させてやる。】
記憶の共有? 俺の中にいるのに俺とは違う存在なのか?
【一瞬しか共有しないからな】
その言葉の後に俺は伊織の記憶を見て、思い出した。
「俺は何で忘れてたんだ......ここに来るまではきちんと覚えてたのに」
【綾瀬の仕業に決まってるだろうが】
綾瀬......あの時成仏したと思ってたが違ったのか。
「これからどうすればいいんだ?」
【決まってんだろ。 綾瀬を探し出して説得しろ】
「説得って......どうやって」
【それは知らん。 お前にしか出来ない事かもしれないんだからな】
「それってどうゆう意味なんだ?」
【自分で考えろ......と言っても俺もまだそうであるかもしれないって段階なんだがな。
どっちにしても綾瀬に会わないことには始まらないぞ】
そうだ。 綾瀬に会わないことには何も始まらない。
これが本当に綾瀬の仕業ならやめさせないと。
「綾瀬がどこにいるかわかるか?」
【......わからん】
本人は気づいているか知らないが。
伊織は悔しげにそう言っていた。
都合により「目指せ年内総合評価450P突破!」コーナーは延期