墓地2
俺は今必死に頼みごとをされている。
「頼む綾瀬を成仏させるのを手伝ってくれないかの?」
「わしからも頼む」
「えーと......斉藤さん誰ですかこの人?」
まぁ当たり前の疑問だな。
「綾瀬を成仏させるのを手伝ってくれるという人間じゃ」
ビックリした後急に悲しい顔になり。
「......私まだ成仏したくない。」
そう言ってどこかに消えてしまった。
「やっぱりまだ駄目なのかのー。」
そういいつつ徐々に体が薄く......
「身体透けてるぞ!?」
「あぁ......もう時間なんじゃな」
時間って......?
「おい時間って何だ?」
「わしらはもう駄目なんじゃ、だからせめて綾瀬を成仏させてあげてから行きたかったんじゃが、それも無理なようじゃな。
朝にはもう成仏してしまうじゃろ。」
朝には成仏......
「お前さんももう帰ってええぞ。 綾瀬が成仏してもいいと思うまで誰が来ても無駄じゃろうからな。」
森を抜ける最中ずっと考える。
あんな事言われて何もしないなんて後々後悔しそうだな。
「よし、やるか」
今まで来た道を引き返し墓地へ向かう。
「伊織、綾瀬の居場所わかるか?」
【自分で探すと思いきや俺を使うとは】
「時間がないんだ......許せ」
こういいながら俺は自分に疑問を抱いていた。
昔なら絶対こんな事しなかっただろうが......鈴達のせいでおかしくなったか?
そう考えながら少し笑う。
「まぁ考えるのは後にして今は綾瀬だ」
【何か言ったか?】
「いや、何も......それより綾瀬の居場所わかったか?」
【ここから近いぞ。 その目の前の木の上だ】
「これ登れと?」
【そうなるな】
「.......」
マンション3階くらいの高さがあるんじゃないかと思う程に大きい木を上る。
「ぜぇぜぇ......」
上に行くまでに何十分かかっただろうか......
木の上まで行くと綾瀬が寂しそうな表情を見せ、下を見つめていた。
「墓地か......」
綾瀬が見ていた方を見てみると、墓地らしきものがあった。
さっきまで俺がいた場所だろう。
「ねぇ......どうして幽霊って成仏するのかな......」
突然綾瀬がそんなことを聞いてきた。
「来世を生きる為じゃないか」
思いついたことをそのまま言う。
「来世......」