夏休み
俺は考えごとをしていた
『伊織って誰なの?』
神がまるで避けてるように言ったその言葉......
その言葉にいったいどんな思いが込められているのかを必死に見つけだそうとしていた
「湊さん大丈夫ですか?」
ふと鈴の声がし、振り返る
「大丈夫って何が?」
「今日元気がないようでしたから」
そこで湊は一つ思いつき、ある質問をした
「なぁちょっといいか?」
「はい? 何ですか?」
「もしも幽霊になったとして、好きな人に自分の事が見えなかったらどう思う?」
「同じ質問ですか......」
「え?」
「いえ......私は自分の事を見えてくれるようになるまでそばにいます。 たとえ永遠に見えなくても」
永遠に......本当にそれでいいのか? それで幸せなのか?
「......それでいいのか? 本当に永遠に見えなくてもいいのか?」
「はい......って言ったら嘘になりますね。 そうする以外に道があるならそっちを選びます。 でも無いなら永遠に見えなくてもいいです」
「......もう一つ質問していいか?」
「何ですか?」
「今の生活で幸せか?」
「はい......幸せです」
その言葉を聞くと俺は携帯を手に取る
「もしもし親父?」
それから数日たち......
「海なんて何年ぶりだろうな......流石は?」
「そうだな」
「でも暑いんだろうな」
「そうだな」
「海の家の食事とかも楽しそうだよな」
「そうだな」
「ここにはナンパ目的来たんだろ?」
「そうだな」
「話聞きましょうか?」
「え? なに!? 何でそんな怖い顔してんだ!?」
助けて~!!! といいながら姉達に連れていかれる流石を見て、ちょっと罪悪感が芽生えた
「終わったな」
レジャーシートやらパラソルやら必要な事を終え、俺は海に入ってこようと思った
そしたら
「ボートでも借りて一緒に乗りませんか?」
と鈴が誘っていた
前の質問のお礼もしてなかったから俺は
「う~ん......それならいいか」
と承諾した。 そして鈴は
「ありがとうございます」
そう言うとボートを借りにいった