伊織には見えない神
「はぁーーー」
「どうしたよ湊?」
大きなため息をつく俺を心配そうに見る流石
「何でもない......ただ、海に行きたくない気持ちが強まっただけだ」
「ならいいけど」
いいのかよ!?
......まぁどうでもいいか、それより幽霊が見えるって事の方が大事だ
「そいえば夏目友○帳ってアニメしってるか?」
「夏目友人○? なんだそれ?」
最近アニメとか見る時間なくなったからな、ちょっと知りたい
「主人公は妖怪が見えるんだ、そして運命のいたずらか祖母の遺品に妖怪の名前が書かれた友人帳があったんだ」
「それで?」
「友人帳に書かれた妖怪は友人帳を持つ者に命令出来る。 拒否は出来ないんだとよ、そして主人公は偶然にも封印をといてしまった大妖怪に用心棒をお願いして、妖怪達に名前を返す事にしたんだ」
「へぇーおもしろそうだな」
「だろ? 俺もたまたま見て面白かったんで見てたら......」
「見てたら?」
「旅館で猫扱いされる事になった」
「......何があった?」
「見ててニャンコ先生可愛いって言ってたら嫉妬されて......」
「......どんまい」
「ただいま」
そう言ってみるものの誰も家にはいない
鈴は家に帰って、このか、薫は買い物に行っている
自分の部屋に入ると昨日用意した荷物がベットの上に置いてある
「ついに明日か」
『そうだね~』
「うわ!」
突然後ろで声がする、振り向くとそこには
『やり~!』
最近姿を見なかった神が喜んでいた
(あのな~神様なんだからもっとしっかり......)
『......ふへ? 神様?』
......あれ? 何かおかしい事いったか?
(お前俺と一番最初に会った時自分で名乗ってたじゃねぇか)
『......っは!? そうだった!』
(嘘かよおい!)
【おい湊......壁に向かって何怒った顔してるんだ?】
なにって......見えないのか?
【何もないのに見えないとか言われてもなぁ】
(おい! どういう事だ!?)
『どういう事ってなに?』
(どうしてコイツ......伊織にはお前の姿が見えないんだ!?)
そう言った時、神は悲しそうな顔を一瞬見せた後すぐ顔を戻し
『伊織って誰なの?』
そう答えた
神の悲しそうな顔に言葉を出せなかった俺は
「じゃあ私行くとこあるから」
と言って消えていく神を止められなった