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オタクと美少女達  作者: たまちゃん
九条 麗華
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過去4

「あの......」


「何の用だ......俺は急いでるんだが」


「お礼がしたいのでお名前だけでも......」


「俺は湊だ! 後礼ならいらないぞ」


そう言うとすぐ市の所に走り出した


「私は月島 神楽かぐらって言います! 絶対にお礼しますから!」


『何だろう......この寒気は......』


そんな事を言っているとすぐさっきまでいた場所に着いた


「市! 市!」


必死に叫ぶが市は姿を現さない

次第に伊織の顔に焦りが見えはじめた


「どこだ! 隠れてるなら出てきてくれ市!」


必死に叫んでも返事一つ返さない


「みなと......さん」


不意に近くから声がした

伊織はその声の方に走った


「市!? どうしたその傷!」


身体中傷だらけの市がそこに倒れていた


「えへへ............やられちゃった」


「もう喋るな! 今すぐ里に戻って手当を!」


「無理です......だから......湊さんに一つ言っておきたいと思って」


「喋るな! 今から行けば間に合うかもしれない!」


市はそんな言葉を無視して話しはじめた


「私......湊さんが伊織だって......わかってました」


『なっ......!』


その反応は伊織も同じだったようで絶句していた


「私への接し方や雰囲気が......似てました」


「それだけでどうして俺が伊織って」


「ほら......今認めました」


「......ハハハ......やっぱり凄いよ市は」


「大人になっても......私の事が......好きでしたか?」


「あぁ......好きだった......誰よりもお前の事が」


もうすぐ市が死ぬと俺にもわかった


「それを......聞けて......良かった」


そう言うと市は動かなくなった


「......」


『......これからどうするんだ?』


「もうすぐ俺が来る......それを寝かせたら......市を埋める」


『そうかい』


それ以上何も言えなかった

そしてすぐ小さい頃の伊織がやってきた


「市をよくも!!!」


完全に自分を失っている


「ごめん......助けられなかった」


伊織はそう言うと一撃で小さい頃の伊織を倒した

小さい頃の伊織と市を抱え里に戻る


「コイツをよろしくお願いします」


伊織の父親に小さい頃の伊織を引き渡すとすぐ近くの場所に市の墓を作った

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