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20代最後のゲイのエッセイ  作者: 湊 俊介


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ゲイであるから文章を書く僕

なぜ文章を書くのか。


ゲイであることで死にたくなるほど悩んだり、生まれてきたことを恨んだり、そんなことは一度もない。他のLGBTの人たちは悩んだり病んだり、話は聞くけれどごめんなさい。僕はそこまで真剣に自分のセクシャリティに悩んだことはないのかもしれません。ゼロではないけれど現実を受け入れるしかないから悩んでも仕方ない。


それに高校生のころまではゲイであるけれども、最終的には女の人と結婚するんだろうと思っていた。

 だけど大人になっても女性を好きになることは一度もなかった。一応小学生の頃の初恋?みたいな女の子とデートをしてみたりもしたけれど、心は全く動かなかった。

あの気持ちはあくまで友達としての好き。純粋な好きで、大人の不純な性欲はそこになかった。

 そもそも世の男性が見るアダルト映像も見たことはないし見ようとしたこともない。アダルト女優の名前が出てきても反応できないし分からない。性的興味が無いものを恋愛対象としてみようとすることが根本的に間違っていた。


 それに気がついて、僕には子供を持つことができないと分かった。だから家族を持つことはあきらめた。

だから子供の代わりに「何か」僕が死んだ後も一秒でもこの世に残ってくれるものが欲しいんだと思う。だから小説を書き始めた。文章を書き始めた。


売れなくたっていい。大勢に読まれなくたっていい。

そりゃ欲を言えばたくさん売れて大勢に読まれたい。だけど根本は僕が死んだ後に、誰か一人でも読んでくれて僕が生きていたってことを一秒でも長く、この世に残すことが目的のように書いている。もっと欲を言えば、僕の文章で誰か一人の気持ちが少しでも高揚してくれたりしたらもっと嬉しい。


そんなに読書家じゃなかった僕でも、小学生の頃に読んで心を奪われた本がある。僕の描いたものが誰かのそれになれたらいいなだなんて思いながら書いています。



子供は持てないと腹はくくったつもりだけど、田舎の「家庭的な家庭」で育った僕には家族が欲しいという願望が奥底にあって消えてくれない。

ゲイだけど家族が欲しい。形とか血とかそんなものにはこだわらないけれど僕にとっての家族の形が欲しい。生まれたことを恨んでいないけれど、恨んでいるとすれば、同性だと好きな人同士で子供が作れない現実を「恨む」ことはたまにあるかもしれない。


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