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20代最後のゲイのエッセイ  作者: 赤井獺京


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吉祥寺の街は思ったよりも普通な街で、1秒が1.8秒であるような街だった。

初めて降りた吉祥寺の駅は思っていたよりも普通の街並みで少しだけ期待外れだった。


吉祥寺、と言うだけでサブカル的なおしゃれな街と勝手に思っていた。古着屋や本屋が沢山あって下北沢に近いものがあるのかと想像していたけれどあくまで普通の街だった。


だけどその普通の街を少し歩いただけで僕は気に入ってしまった。

空には高い建物も無くて窮屈な感じはしない。歩く人は顔を白塗りにした地下アイドルとそれの追っかけばかりに見えたけれど、時間がある時に余裕をもって散策したいと思った。


何がそう感じさせるのか分からない。だけどありきたりなことを言えば、他の街の1秒が吉祥寺では1.8秒であるようなゆったりした感じがあった。


帰りの駅のホームで電車を待っていると、二人の男の子が腕を組んで横切った。学生服を着て、きっと中学生だろう。二人はとても親密な距離で歩いていた。


彼らは付き合っているのか、それともただの友達か。


だけど周りにいる僕以外の人間は、そんなものがどうでもいいように興味を持っていなかった。


僕にはそれがとても心地よかった。


関係性じゃない。


好きな人と好きなように、周りも何も気にしないで腕を組んだり手を繋いだり、それができる街が吉祥寺なのかもしれない。


彼らはさも当たり前のように腕を組んでいた。


僕もほんの少しだけ生まれる時期が遅ければあんな青春を送れただろうか。


僕の住む場所がもっと都会であれば、あんな青春を夢見れただろうか。


だけど僕の生まれた時期、生まれた場所でしかできない青春があったことも確かで、思い返せば目を背けたくなる思い出ばかりだけれどあの頃は本気で青春をしていたことは間違いない。


吉祥寺で見かけた彼らの青春が、物語にもならないくらい普通なことになる世界にいつかなりますように。


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