「無い」と言って夢をあきらめた人たちに、僕が証明したいこと。
僕はいつも物語の主人公だった。
本を読んで、映画を見て、すぐに影響されて僕はその主人公になる。
なれると、思っていた。
僕は超能力があって、
僕はヴァンパイアで、
僕は魔法使いで、
僕には強い仲間がいて、
僕には帰りを待ってくれるお姫様がいて、
僕には何でもあった。
なんにでもなれた。
だけど大人になると、何かになろうとすることが億劫になる。なれない現実を知ってしまったからだ。
僕には超能力は無くて。
僕には魔法も使えない。
僕にはお金も無くて、
僕には何かを成し遂げる能力も覚悟も無い。
何もない。
僕の部屋は散らかっていて、それを片付けることすら成し遂げない。
地元に帰ればいいものの、都会に住むというプライドも捨てられない。
インスタの友達の幸せそうな投稿にいいねも押せなくて、それでも見ることをやめられない。
劣等感を感じることもやめられなくて、生きることをやめることもできない。
何もできないから生きていて、何もできないままに時が経つ。
そしてそれをまた後悔する。
物語の主人公と僕の違いは何だろうか。
はじめは同じはずだ。みんな何も成し遂げられないただの人だった。
それが憧れるヒーローになれたのは、運でも才能でもお金でも漫画だからでも無くて「無い」なんて思わなかったからだと思う。
彼らはあるもので、できることをした。
無い、と言ってあきらめずに今できることからした。
僕たちの「憧れの自分」は常に目の前にあって、それはすぐ手の届く場所にある。
だけど「無い」と思い込んで目の前にあるのに探しもせずに諦める。そうやって僕たちは凡人になってしまった。
無い、ことを理解するのが大人だと成長してしまった。
無いなら、無いなりに、無いことから始めれば大人になった僕も憧れのヒーローにまだなれるはず。
僕はそれを証明したい。




