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20代最後のゲイのエッセイ  作者: 赤井獺京


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僕を繋いだ鎖、共依存の関係性

僕を繋いでいた鎖。


10代の頃の僕はただ寂しかった。愛やら恋やら青春やら、そういった物に飢えていた。


簡単に手に入るものなら欲しくない。


手に入らない、そう分かった上でどうにかして手に入れようと必死だった。


そして手に入ったと思った。手に入ったと勘違いをして、今度はそれを手放さないことに必死だった。


邪魔も多かった。


必死にしがみついて、しがみついて、しがみついて、気づけばそれは僕の体をぐるぐる巻きつけて動けなくさせる太い鎖になっていた。


その鎖は決して切れなくて錆もしない。だけど年月には勝てなかった。鎖は僕を締め付けて逃がさないようにとした挙句に、鎖の巻き付く力で僕を壊してしまった。


壊れた僕はばらばらと鎖から抜け落ちて、また一つになった。


一人になった。


僕の17、8歳からの10年間はそれだった。それだけだった。


今思えば馬鹿みたいだと思えるけれど、当時は本気で真剣に狂った恋をしていた。これが恋なのかも分からない。だけど僕には必要なものだった。


 その鎖がまだ赤い糸だと信じ込んでいたのは、僕が高校2年生の頃のことだ。


僕に後輩ができて、それを可愛がった。きっかけはただそれだけのことだ。その関係が高校時代だけでは終わらずに、10年続いた。


僕と同じことをするような奴がいるだろうか。僕はいつの間にか後輩が可愛くて仕方なくなった。他の同級生がその後輩と話すのを見ているだけでも少し嫌だった。早くも僕の感情は嫉妬や束縛心に蝕まれていた。


これは恋愛経験をしていないと、という良い例だと思う。逆に言えばその時から狂えてよかったと思う。その狂いが30代では発症なんてしたら大変なことになってしまうから。


僕は後輩を好きになって離れたくなかった。だけど月日がたって、卒業目前だった。卒業してしまえば今までみたいに一緒にいられない。僕にはそれが耐えられなかった。


僕は地元の企業に就職して、悲しみながら働いていた。だけど休日には遊びに誘ってドライブに行ったり、関係は続いた。そして僕はまだあきらめていなかった。


僕は後輩を同じ会社に誘ったのだ。同学年で同じ会社に就職となれば、一校一枠しかないから難しい話だった。だけど彼は後輩、次年度の枠で誘えば一緒にいられると思いついた。


僕は必死に説得をして、彼を同じ会社にいれた。その過程もいろんなことがあったけれど、とにかく同じ会社で働くことになった。


この時点で、僕の体は鎖に巻き付けられて引き返せなくなっていた。


だけど後輩は決して、僕を好きでなんかいなかった。そもそもノンケだ。それは分かっている。


だけどいつかは気が向くかもしれない。人間が手をはばたかせて空を飛べるってくらいに無理な理想を信じていた。8年一緒に働いて喧嘩も、何もかもいろんなことをした。だけど僕は相変わらず好意を持っていた。


そしてその後輩が転勤になった。


僕がした行動は、あっさりとその仕事をやめて彼についていった。引っ越しをした。田舎から関東に。


迷いは1つも無かった。


その時点で気が付くべきだった。僕たちの関係は普通じゃない。


付き合ってもいないのに依存していた。一緒にいすぎて、一緒にいることが当たり前だと思っていた。


だけどその時の僕は期待で胸を膨らませていた。ようやく二人になれる。他に知り合いのいない生活だ、と。


だけど僕たちの関係は、関東に行くとギクシャクしたものになった。依存していたのは僕、だけじゃなくて後輩も同じだったと分かった。


彼は僕がいて当たり前だと、いうなれば亭主関白のような態度をとるようになった。


そこにギャップを感じてしまった。


それは僕の中では高校一年生の可愛い後輩、面倒を見ないと死んでしまうような子犬だったものが凶暴な犬、鎖でつないでおかないといけないような番犬になっていた。


僕は気持ちが一気に冷めて、恋人を作った。

自分でも驚くくらい、あっさりと気持ちが冷めてしまった。その最後のきっかけを作ったのは後輩だ。


その話はいつか……。


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